"信頼性問題"解決のため、マクラーレンにPUを供給したくないルノー
マクラーレンは、ルノーに対し供給先を4チームに増やすよう提案していた。しかし信頼性への対処を理由に、ルノーはこれを断ったという。

マクラーレンは、トロロッソがホンダにパワーユニットを切り替えない限り、ルノー製パワーユニットを手にすることは不可能であると考えられている。
今週末のイタリアGPのパドックでは、トロロッソとホンダにより、パワーユニット供給契約に関する話し合いが行われていると見られている。この交渉に深くかかわっているとみられるレッドブルの代表は、その交渉の締め切りを今夜に設定しているという。
この話し合いがどうなるのか、マクラーレンは注意深く見守っている。なぜなら、トロロッソとホンダの契約が締結されれば、ルノーのカスタマーパワーユニットに1チーム分の余裕のできることになり、マクラーレンがこれを使うことができる可能性が生まれるからだ。
逆にトロロッソとホンダの契約にゴーサインが出なければ、マクラーレンに残された選択肢は、ホンダを使い続けることのみということになる。
供給先を増やせない
マクラーレンはルノーに対し、パワーユニットの供給先を4チームに拡大するよう説得していたという。しかしある情報筋によれば、ルノーはこれについて”全く不可能”という結論に達したという。
2018年の計画の多くはすでに固まっており、パーツの多くは準備中であったり、発注済みであったりするという。そんな状況下でレッドブルとトロロッソ、そしてルノーのワークスチーム以外のチームに供給先を拡大すると、既存のチームに影響をもたらす可能性があるのだ。
またある情報筋によれば、もしマクラーレンがホンダと袂を別つことになったとしても、FIAがエンジンの入手を保証することはないという。なぜならばその手続きの締め切りは過ぎてしまっているからだ。
トロロッソがルノーとの契約を保持すると決めた場合、マクラーレンはホンダとの契約を継続するか、もしくはホンダとの継続は不可能と判断した場合には、土壇場で他の契約を探さなければならないというシナリオに直面するだろう。
信頼性に関する懸念
ルノーF1のマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは、最近では信頼性の問題に悩まされているため、追加の契約を交わしたくないと考えているという。
「それ(信頼性)はエンジンの様々な領域に関係する。そして、オペレーションや製造などに関わる様々なタイプのサプライヤーやデザインによってもたらされる」
そうmotorsport.comに対して語った。
「それに対処する必要がある。全ての分野で品質を向上させなければならないが、それを行うための管理構造については、完全なる自信を持っている」
「率直に言って、それが今よりも多くのカスタマーを抱えたくない理由のひとつだ」
「来年用のエンジンは、非常に信頼性の高い方法でデザインされている。その努力を希薄にしたくはない」
「今年に関しては、全てを変更したために非常に難しかった。来年はパフォーマンス面で大きな改善を見込んでいるが、構造に関しては今年と同じになるだろう」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | マクラーレン , ルノーF1チーム |
執筆者 | Jonathan Noble |