反飲酒団体、FIAにF1でのアルコール広告撤廃を働きかける

反飲酒を掲げる団体は、F1におけるアルコール関連のスポンサーシップの撤廃を、FIA代表のジャン・トッドに求めた。

 ヨーロピアン・アルコール・ポリシー・アライアンスの事務局長であるマリアン・スカーは、ハイネケンとF1の新たなスポンサーシップ契約が与える影響の大きさを懸念する書簡をトッドに宛てた。

 カナダGPで、ハイネケンはスポンサーとして今後7年間に渡る複数年契約を発表した。契約金は少なく見積もっても2億5000万ドルになるだろう。今後いくつかのレースで、ハイネケンのロゴはコースサイドに掲示されることになる。そして今後、F1への注目を後押しし、支援する主要なマーケティングキャンペーンに投資することを約束している。

 このような露出は、欧州アルコールポリシーアライアンスにに懸念を残すことになるだろう。また、交通事故死を減らすためにFIAとどのようにフィットするかも疑問視されている。

「F1はモータースポーツをやりたいのか、またはアルコールブランドのイベントをやりたいのか、自身に問うべきです」スカーは述べた。

「2015年のモナコGPを監視した時、1分間に11件のアルコールブランドに関する広告を発見しました。平均すると、5秒ごとに1ブランドの計算です。これに加えて、ハイネケンが主要スポンサーになったらどうなるのでしょう?」

「FIAと酒造メーカーが責任ある企業だと思われたいのであれば、F1にアルコールスポンサーシップを持ち込むのを止めるべきです」

 スカーがトッドに宛てた公開書簡は、ハイネケンとの取引が与えるインパクトの大きさの見直しと、F1からアルコールブランドの撤廃を求めるものだった。

 下記はその書簡の全文である。

親愛なるトッド殿

F1とハイネケンのスポンサーシップに関して

 先日、ハイネケンがF1との間に推定1億5,000万ドルの5年間の新スポンサーシップ契約を発表しました。この新契約により、ハイネケンは同スポーツにおいて、グランプリのタイトル名やサーキットにおけるブランディング、テレビコマーシャル、その他のプロモーション活動を行う主要スポンサーに名を連ねる事になります。

 アルコールと運転は関係を持つべきではないため、この件に関しては大きな懸念を抱いております。アルコールブランドは、今やF1において広範囲に渡りスポンサーシップを占めております。これは、人気のあるモータースポーツと交通事故死の最大要因の一つである飲酒運転とを関連づけています。

 アルコール市場は、特に若い世代において社会的に強大な影響力を持っております。よくご承知の通り、F1は今回の新契約の前から幅広くアルコール製造業のスポンサーシップを受けてきました。レポートによれば、昨年のF1モナコグランプリでは1分当り平均11件、約5秒ごとに1件の割合でアルコールブランドの露出がありました。

 象徴的なスポーツイベントにおけるアルコールの宣伝は、飲酒を支持する社会規範を過剰に強め、強調することになります。世界中の5億人もの視聴者がモナコGPを観戦しており、今回の新契約がこれまでのスポンサーシップに加わることで、F1はスポーツイベントと言うよりも、アルコールブランドを世界中に露出するためのイベントに近づきつつあります。

 私たちは以前にも同様の懸念に関する書簡を送りました。貴殿の返答では、自身が国連交通安全特使を務めておられること、そして"交通安全のためのアクション"プログラムを通して、貴殿とFIAが交通安全に深く関与していることを述べておられました。
飲酒運転が交通事故死の主要因のひとつであることを再度認識してください。それ故に、F1がアルコールブランドとモータースポーツの距離を更に縮める事に関して憂慮しております。

 この件に関して、貴殿が深刻に受け止められることを望むと共に、煙草のスポンサーシップを排除した時と同様、アルコールのスポンサーシップの排除を検討される事を要求いたします。

 FIAがF1の統括団体および株主として、責任を担っていただけるよう願っております。

ヨーロピアン・アルコール・ポリシー・アライアンス事務局長 マリアン・スカー

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この記事について
シリーズ F1
記事タイプ 速報ニュース