昨年型に酷似するメルセデスW09。しかしエンジンは新規開発か?
昨年型と比較し、見た目上は大きな変化はあまり見られない今季のメルセデス。しかし、エンジンは新規開発だという噂がある。

2月22日に公開されたメルセデスのニューマシン”W09”は、昨年型W08と比較して大きな変更点がないように見える。
ノーズの形状やフロントウイングステーのレイアウト、モノコックの形状も酷似している。ただ、ハロによって気流が乱れることを嫌ったのか、インダクションポッドの高さを縮めて左右に広げているという点、さらによりシンプルな形状となったサイドポンツーンなどが、昨年型との違いと言えるだろう。
しかし同チームのエースドライバーであるルイス・ハミルトンによれば、W09は「完全に新しいマシンであり、昨年の弱点が改善……エアロダイナミクスの特性も変わっている」のだという。
では一体どこが変わったのか? 英国AUTOSPORTのベン・アンダーソンの取材によれば、「W09は他チームの強みとなっている部分を分析し、マシンに大幅な変更を加えずにその良さを取り入れたマシン」だという。
昨年のW08はダブルタイトル獲得に貢献したものの、”プリマドンナ”と揶揄されるほどセッティングの難しいマシンであり、いくつかのコースでは苦戦を強いられた。それを解消する狙いがあるということだ。
ただ、W09の進歩はそれだけではない。アンダーソンは以下のように続けた。
「鍵となるエレメントは、エンジンカバーの裏側にある。メルセデスから聞いたところによれば、彼らはライバルであるフェラーリやルノー、そしてホンダなどとは異なり、完全に新しいエンジンを開発したようだ」
昨年の時点でも十分にパワフルであり、さらに信頼性も高かったメルセデスのパワーユニット。それを大きく進化させることに成功しているのかどうか? 大幅な開発を行ったということは、当然信頼性に影響を及ぼす可能性もある。しかし逆に開発が完璧に行われたとなれば、もはや手をつけられない速さを、再び発揮することになるかもしれない。
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Charles Bradley |