”本能のレーサー”フェルスタッペン、理想はハミルトンのような圧勝劇
フェルスタッペンはオーバーテイクをして追い上げるよりも、メキシコGPで達成したようにレースを完全に支配して勝つのが理想だと語った。

メキシコGPを1周目からコントロールし、勝利を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは彼が”退屈”していたようだと語っていたが、フェルスタッペン本人は先頭からレースを支配した方が、後方からオーバーテイクをしていかなければならないレースよりもはるかに好みだと考えている。
「ああ。なぜならそれが勝つということだし、僕はそれが最も美しい勝ち方だと思うから」とフェルスタッペンは語った。
「もちろん、オーバーテイクは楽しい。だけど最近、僕はレースをコントロールできるような立場にいない」
「だけどカートではそうやってきた。実際、結局のところ僕がやりたいのはそういうことなんだ。オーバーテイクは言うまでもなく素晴らしいことだけど、僕にとっては必要なことではない」
「究極的には(ルイス)ハミルトンのようにレースに圧勝し、ゆくゆくはチャンピオンシップを勝ち獲りたい」
これまでフェルスタッペンはF1で3勝を挙げているが、それぞれが異なる状況だった。1勝目は前を走っていたメルセデスのニコ・ロズベルグとハミルトンが同士討ちをした昨年のスペインGP。2勝目は今年のマレーシアGPで、ハミルトンをオーバーテイクしての優勝だった。
フェルスタッペンはメキシコでの優勝をどのように評価しているのか? それを問うと彼は次のように答えた。
「当然、今回は僕のお気に入りのレースのひとつだ。ただレースに勝っただけじゃなく、レースをコントロールし、背後からのプレッシャーもなく優勝できたから」
「来年、開幕戦から今と同じポジションに僕たちが居られることを願っている」
フェルスタッペンのレーシング本能
フェルスタッペンは、ポールポジションのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対し、アウト側からターン1に進入。多少強引ながらベッテルをパスすると、その後ベッテルとハミルトンが接触し、優勝争いから脱落していった。
ターン1での動きはフェルスタッペンの典型的な攻撃方法だったが、本人はどのようにアプローチするか事前に考えてはいなかったと述べた。
「僕は、それについて事前には全く考えていなかった」
「過去数年、ここでのレースで起きたことを見返してもいない。僕は自分のやりたいようにやっただけだ」
「もしアウト側に動くチャンスがあると思ったら、実際にやってみる。それはすべて直感によるものだ」
「それは純粋な本能だ。そんな(スタートでどうするべきか考える)ことはやったことがない。カート時代もそうだ。父が僕に、スタートでどうするべきか言ってきたこともない。だからそれは、純粋に直感によるものだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | マックス フェルスタッペン |
チーム | レッドブル・ホンダ |
執筆者 | Jonathan Noble |