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【独占インタビュー】ストフェル・バンドーン「100%マクラーレンに乗ることを目標にしてきた」

来季マクラーレン・ホンダからF1フル参戦を果たすことになったストフェル・バンドーンのロングインタビュー

【独占インタビュー】ストフェル・バンドーン「100%マクラーレンに乗ることを目標にしてきた」
Ron Dennis, Executive Chairman, McLaren Automotive, with Stoffel Vandoorne, Test and Reserve Driver and Jenson Button at the announcement that Jenson will step down from a race seat in 2017 Stoffel Vandoorne will step up into a race seat
Stoffel Vandoorne, McLaren MP4-31 Test and Reserve Driver
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
表彰台
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
スタートでフロントをロックさせるバンドーン
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
Stoffel Vandoorne, McLaren Test and Reserve Driver
Frederic Vasseur, Renault Sport F1 Team, Racing Director and Stoffel Vandoorne, third driver, McLaren F1 Team
Stoffel Vandoorne, McLaren MP4-31 Test and Reserve Driver
Stoffel Vandoorne, McLaren Test and Reserve Driver
Stoffel Vandoorne, McLaren MP4-31 Test and Reserve Driver
Jost Capito, McLaren Chief Executive Officer with Stoffel Vandoorne, McLaren Test and Reserve Driver (Right)
Stoffel Vandoorne, McLaren MP4-31 and Sergio Perez, Sahara Force India F1 VJM09
Fernando Alonso, McLaren with Stoffel Vandoorne, McLaren
Stoffel Vandoorne, McLaren
Stoffel Vandoorne, McLaren MP4-31
(L to R): Alex Wurz, Williams Driver Mentor / GPDA Chairman with Stoffel Vandoorne, McLaren Test and Reserve Driver
ジェンソン・バトンとストフェル・バンドーン
ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダMP4-31)
ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダMP4-31)
ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダMP4-31)
ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダMP4-31)
Fernando Alonso, McLaren, Stoffel Vandoorne, third driver, McLaren F1 Team
ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 来季からマクラーレン・ホンダのレギュラードライバーとして、F1フル参戦をすることが決まったストフェル・バンドーン。そのバンドーンは、ご存知の通り今年はスーパーフォーミュラに参戦し、9月10日(土)に行われた第5戦岡山ラウンドのレース1で初優勝を果たした。

 そのバンドーンに、スーパーフォーミュラのこと、そして来季からのF1についてのことを、スーパーフォーミュラ岡山ラウンド、レース1終了後に訊いた。

スーパーフォーミュラでの優勝が今年の目標だった

——スーパーフォーミュラ(SF)、初優勝おめでとうございます。

「有り難う御座います。スーパーフォーミュラで優勝することが僕の今年の最大の目標だったので、ちょっと時間がかかりましたが成し遂げられて喜んでいます」

——優勝の要素は幾つもあるでしょうが、第4戦からホンダのエンジンが第2フェーズに入った点があると思います。それ以前のエンジンと比べてどうでしょう? 性能向上などは確認出来ましたか?

「性能差を語るのは難しいですね。この前のレースは1カ月前ですし、クルマも進化しているし、サーキットもまったく違います。ホンダがエンジン性能を上げて来ていると信じたいですし、それが優勝のひとつの要素かも知れません」

——細かい点、例えば出力、トルクなどのポイントに絞っても性能向上を指摘するのは難しいですか?

「このエンジンはまだ投入されたばかりで、毎週末マッピングなどの調整をしている状況です。その度に性能は上がっているはずで、開発の方向性は正しいと思います。非常にポジティブです」

——シーズン序盤はトヨタエンジンとの差がやや大きかったと思いますが、ここに来てその差は縮まっていると感じますか?

「どこまで近づいているか正確に指摘するのは難しいですね。それはサーキットの特性によっても感じ方が違うし、ここ岡山のサーキットは非常にツイスティなのでそれほどエンジン性能差が重要ではなく、ドライバビリティの良さが大切ですからね。毎レース、サーキットに合ったマッピングをトライしています。その度に良くなっていると思いますよ」

ヨコハマタイヤは耐久性に優れている

——あなたはF1とSFの最大の差はタイヤだと言っていました。

「F1のタイヤとSFのタイヤはまったく異なります。SFのヨコハマタイヤは耐久性のあるタイヤで、予選でも性能を発揮しますが、レースでは何周もタイムが落ちることなく走行できます。それに比べF1のピレリタイヤは最初は凄いグリップがあるのですが、レースが進むとデグラデーションが激しく急激に性能が落ちます。とにかくSFとF1のタイヤは性格が大きく異なり、そのせいで運転のスタイルも変わります」

——F1のタイヤに関しては随分とテストをしてきたと思いますが、進化は感じられますか?

「F1はとにかく進化が止まらない。チームだって一時も止まっていないです。技術も毎レース進化しています。来年F1のレギュレーションが大きく変わりますが、タイヤも例外ではありません。今は現行のタイヤでのテストを繰り返していて、僕にとってみればいい経験になっています」

——今週末のSF(岡山戦)では2日間で4セットのタイヤしか使用出来ません。配分とマネージメントが重要ですね。

「そうですけど、全員同じ条件ですから。それに今日のレースは30周と短かったので、問題になるとしたら明日のレースだと思います。でも、ヨコハマタイヤは耐久性に優れているので問題は起こらないと信じています」

——今年はブレーキ問題が起こりましたが、もてぎのレースからヒトコに落ち着いたみたいです。ブレーキに関しては意見はありませんか?

「はい、今年はブレーキ問題が起こりましたね。特に富士でのレースでは、僕も含めて何人かのドライバーが痛手を被りました。ヒトコに変わったもてぎでもまだ完璧には問題は解決していなかったようですが、ここ岡山では今のところ問題はないです。それに、ブレーキにきついサーキットはシーズン前半で終わっています。ここは少々きついけど、菅生も鈴鹿もブレーキにはきついサーキットではないので、問題はないと思います」

F1ドライバーになることは、一番大きな夢だった

——F1の話題に移りたいと思います。とうとうF1のシートが決まり、今は最高の気分じゃないですか?

「ええ、最高の気分です。僕の一番大きな夢がF1ドライバーになることだったので、夢が叶ったわけですからね。カートから始めて様々なシリーズを戦ってきましたが、常にF1へ行くことを夢見てきました。その結果としてマクラーレン・ホンダに辿り着けたことは、もうこれ以上の喜びはありません。マクラーレン・ホンダで走ることに関しては、ずっとプッシュしてきました。チームから僕のマクラーレン・ホンダ入りが発表されたのがシーズン半ばの早い時期だったので、これから先、長いシーズンオフに準備ができる点が助かります」

「来年に向けてはF1のレギュレーションが大幅に変わります。その対応として冬の間にチームを一緒に仕事をすること、シミュレーターで練習することが重要です。これまでマクラーレン・ホンダで仕事をしてきたことで、チームの多くの人々を知っています。マクラーレンではメカニックも知っていますし、日本のSFに来ているおかげでホンダの技術者にも会うことができ、来年に向けて準備が整いつつあります」

いくつかのチームと話したが、チーム名は言えない

——シーズンの早い時期に発表があったとはいえ、それまで耐えなければいけない時期がありました。

「そうですが、そんなときにも諦めず、100%マクラーレン・ホンダに乗ることを目標にしてきました。それが僕の将来にとって最高のチョイスだと信じていたからです。もちろん、マクラーレン・ホンダに乗れなかった時のためにいくつかのチームと話をしたことも確かです。どこのチームでもよければF1に行くことはできましたが、とにかくマクラーレン・ホンダに乗れるように全力を尽くしました」

——マクラーレン・ホンダ以外に話したチームを教えてもらえますか?

「いや、いくつかのチームから話はあったが、チーム名は言えないです」

——あなたがマクラーレン・ホンダにシートを得られたのはジェンソン・バトンが走らないことを決めたからですよね?

「そういう一方的な決定じゃなく、合意の上の決定だと思います。レースをするのはフェルナンド(アロンソ)と僕だけど、ジェンソンもチームに留まる。フェルナンドのチームメイトとして走るのは、僕にとって非常に良い経験になりますが、それだけプレッシャーも大きいです。ジェンソンはチームでシミュレーターの仕事をしたり、我々2人のために仕事をしてくれる。この3人体制というのは、F1チームとして必要な経験が全て詰まったチームです」

——我々から見ると、あなたはかつてのロン・デニスとルイス・ハミルトンの関係のように見えます。デニスとは良い関係にありますか?

「もちろん、我々はとても良い関係にあって、ロンは僕のマクラーレンにおける父親みたいな存在です。先週、我々は僕の将来について長い話し合いをして、その後で僕の来年の発表がありました。僕にとれば最高の環境が手に入ったことになりますね」

——マクラーレンはロン・デニスが頂点にいて、エリック・ブーリエをはじめとするマネージメントグループがいます。また、フォルクスワーゲン(VW)からヨースト・カピトが来てよりマネージメント層が厚くなります。あなたは恵まれた環境で自分の仕事に集中できますね。

「マクラーレンは大きな会社だから、ひとりの決定で物事が動くことはありません。多くの人が決定に影響を与え、僕との契約もその中で決まった。僕はこれまで多くのシリーズを戦ってきて、GP2ではタイトルも獲った。それに、昨年は毎週末マクラーレンでエンジニアたちと様々な話をしてきた。それが僕が来年走ることが出来るようになった理由のひとつだと思う」

アロンソから多くを学び、できるだけ近付く

——マクラーレンにあなたを紹介したのはアレックス・ブルツだと聞きました。いまでも彼とは良い関係ですか?

「彼とは今も良い友人です。彼と初めて会ったのは2011年で、彼がFIAヤングドライバー・エクセレントプログラムを行っていたときです。彼がマクラーレンの何人かに僕を紹介してくれて、それからマクラーレンとの関係が始まりました。マクラーレンのジュニア・プログラムに入れたのです」

——新しいCEOのカピト体制も始まります。

「ヨーストはマクラーレンに来たばかりです。先週のモンツァが彼のマクラーレンでの初めての仕事です。ベルギーにも来ていましたが、まだオブザーバーとして来ていただけで、実際の仕事はしていませんでした。まだ一緒に仕事をしたことがないので分かりませんが、彼は必ずチームをさらに強力にしてくれると思います。彼はVWで重要なポジションにいました。大きなビジネスを展開するやり方を知ってるはずですので、マクラーレンでも必ず力を発揮してくれるはずです」

——今年は今まで何度マクラーレンをテストしましたか?

「バーレーンのレースには出ましたが、テストは2回きりです。バルセロナとシルバーストンです。マクラーレンとホンダはまだタッグを組んだばかりですが、昨年1年と今年今までの半年で大きなステップアップを遂げていると思います。僕が最後にテストをしてからもう4カ月が経っているので、現在のホンダ・エンジンの状況は知り得ませんが、確実に良くなっていると思います。また、来年はF1のレギュレーションが大きく変わるので、マクラーレンにとってもホンダにとってもチャンスだと思います」

——最近のレースカーは大変に複雑なシステムを積んでいます。ドライバーもレース中にステアリング上のいくつものボタンを操作しながら走らなければなりません。ドライバーはすぐに対応出来るものですか?

「今のF1はクルマに乗り込む前にステアリングをアジャストするためにいくつもセッティングをしなければなりません。でも、シミュレータが進化しているので、僕はリザーブドライバーとして何度も走り込んでいます。レース前、それからレース後もシミュレータで走ります。ただ、今年はF1への帯同に加えSFを戦っているので、あまり時間がありません。でも、時間がある限りシミュレーターで走るようにしています」

——2017年の目標は?

「なかなか難しいですね。F1フルシーズン1年目になるし、現段階ではレギュレーションが全て決まっているわけではないので、いかなる性能のクルマが完成するか分かりません。高性能であって欲しいですけどね。僕は僕の仕事をするだけだと思っています。そこでの結果はどうしてもフェルナンドと比較されるでしょうけど、フェルナンドに関しては誰もがよく知っているので、その比較が僕の力と見られることになるはずです。彼から多くを学んで、なるべく彼に近づけるように努力します」

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この記事について

シリーズ F1
ドライバー ストフェル バンドーン
チーム マクラーレン
執筆者 赤井邦彦