重要な議題が先送り。F1戦略会議は賞金分配ではなく予算制限が焦点に

F1の未来を決めるストラテジーグループの会合が11月7日に行われるが、重要な問題のひとつだった賞金分配構造の改革は議論が先送りになるようだ。

 FIAF1の商業権所有者であるリバティ・メディア、そしてチームは、117日(火)にストラテジーグループの会合を行い、2021年からのF1の枠組みに関する最新のアイデアについて話し合う予定だ。

 通常、このストラテジーグループには、メルセデス、マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、ウイリアムズ、フォースインディアの6チームのみが参加するが、今回は残り4チームも含め、全チームが会議に出席することになっている。

 FIAF1は先週、既存のマニュファクチャラーと今後F1に参戦する可能性のある自動車メーカーを交え、主に2021年からのパワーユニットレギュレーションについて会合を行った。しかしこの際にFIAF1が提案した新レギュレーション案は、メルセデスとルノー、そしてフェラーリから痛烈な批判を受けた。今週の会合ではこの批判を踏まえ、グランプリレースをより深く見直すための議論が開始され、F1がより競争力のあるコンテンツになることを目指すことになると思われる。

 今回の会合の主な議題は、その分配金構造の変更にあると考えられていた。現在は歴史的なチームや近年好成績を残しているチームに対して、手厚く分配金が支払われる形になっている。そのため、チーム間の格差は著しい。しかしこれを根絶し、全チーム出来うる限り平等に分配金を配分することが目指されるものと考えられていたのだ。

 しかしある情報筋によれば、今回は分配金問題は議論の対象にはならないという。それに代わり、チームの予算に制限を設けることが、話し合われることになるようだ。

 リバティ・メディアは、F1チームに何らかの予算制限をもたらすことを決断していると考えられており、今週の会合ではその考え方について説明が行われるという。

 その結果、枠組みを構築する作業を開始するための建設的な対話が行われ、また予算制限額の管理方法について合意に達することが期待されている。それにより、チームの支出削減を効果的に行うことができるようになる。

 この予算制限の考え方について合意に至って初めて、分配金に関する協議が進むことになるだろう。

賞金分配は個別に交渉へ

 賞金分配構造に関する交渉が今回議論されないことになったのは、商業収入に関してFIAは関与しておらず、F1首脳陣とチーム間で決定すべきだと考えられたからだ。

 かつてF1を支配していたバーニー・エクレストンも、商業的取り決めについてはチームと個別に交渉を行い、結果として2020年を期限とした多くの合意が生まれた。

 このようなシステムは今回も採用される可能性があり、全チームを含めた場での対話ではなく、チームと個別に交渉が進められるようだ。

 賞金分配構造の均等化は、チームが長期的なビジョンを立てる上で最も重要な要素の中のひとつだと考えられている。先週行われたパワーユニット提案に対しての批判の中で、ルノーF1のマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは、コスト制限や賞金、ルール変更などを含めてリバティの全体的な構想を理解することが、各チームにとって重要なことだと語った。

「我々がシャシー開発の費用を大幅に抑えることも、好条件の商業契約をFOMと結ぶのも、すべてが不可能なことではない。しかし……」

 アビテブールに新エンジンの設計によるコスト増加の可能性について訊くと、彼はそう答えた。

「しかし他のパラメーターについて分からなければ、現状の投資を撤回して、そのような大規模な新しい投資を受け入れるのは非常に難しい」

フェラーリ撤退の脅威

 先週行われた2021年以降のパワーユニット提案について、メルセデスとルノーは新コンセプト採用による劇的なコスト上昇の懸念があると述べるにとどまったが、フェラーリは2020年でのF1撤退を示唆するまでに至った。

 これは、フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが投資家たちとの電話会議を行った際に宣言したものだ。多くの人々がただの”威嚇”だと考えているようだが、かつてF1に君臨したエクレストンはマルキオンネのコメントを真剣に受け止めるべきだと考えている。

「もし勝つことができなければ、彼らは新しいレギュレーション導入を進めるだろう」と、エクレストンはフェラーリのスタンスについて語った。

「フェラーリが戦えると思っているエリアに規制ができたら、彼らが撤退することはありうる」

 またエクレストンは、予算制限の導入はビッグチームからの指示を得られないと指摘した。ビッグチームが持っているアドバンテージの大部分は、より多くの資金を投入しているからだという。

「彼らは予算の上限といったものは全く望んでいない」とエクレストンは付け加えた。

「資金を費やす余裕があると考えているからこそ、彼らは資金を投入している。私はいつも同じことを言っているが、そんな余裕がなければ撤退しなければならない」

「もしチームが3つか4つまで減ってしまったなら、何かしなければならないと考えるだろうが、実際は誰も何もしないだろう。チームは、余裕がないから新しくエントリーがないんだと言うだけだ」

【関連ニュース】

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ F1
記事タイプ 速報ニュース