角田裕毅が遭遇した珍トラブルが原因に? FIA、マシンのダメージに”過剰反応”していたと明かす
FIAは、アゼルバイジャンGPでリヤウイングをテープで補修した状態で角田裕毅が走行したことが、オレンジボール旗を巡る過剰反応を招いたと説明した。
FIAは、F1の2022年シーズン後半になって、マシンにダメージを受けたドライバーにピットインを指示するオレンジボール旗の運用方法を変更すると発表したが、これは角田裕毅(アルファタウリ)が見舞われたトラブルが遠因になっていたようだ。
シーズンを通じて、ハースはフロントウイングにダメージを負ってオレンジボール旗を掲示されることが3回あり、チームはマシンが安全でリスクがない状態だったと不満を持っていた。
そしてアメリカGPでは、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がリヤビューミラーが脱落したままレースを行ない、レース後になってハースが抗議する事態となった。この結果アロンソに一度ペナルティが出されたものの、後にそれが撤回されるという混乱が生じた。これを受けてFIAは、オレンジボール旗の使用を減らすと発表。FIAシングルシーター部門の技術チーフを務めるニコラス・トンバジスも、それまで過剰反応だったと認めている。
「メキシコ以降、オレンジボール旗に関する基準を見直した。その後、オレンジボール旗が掲示されなかったマシンをすでに1台か2台見ている」
そうトンバジスは語った。
「状況を分析した結果、少し過剰に反応しすぎたというのが我々の評価だ」
トンバジスの説明によると、この件は6月のアゼルバイジャンGPで、角田裕毅(アルファタウリ)のリヤウイングのDRSフラップに不具合が生じ、オレンジボール旗が提示されたことにさかのぼるという。
角田はポイント圏内を走行中、ウイングのフラップが真ん中から裂けてしまうという珍しいトラブルに見舞われた。DRSを作動すると、左半分しかフラップが持ち上がらなくなっていたのだ。
チームは角田をピットに入れ、ウイングが外れないようにテープを貼って修復し、再びマシンを走らせた。
トンバジスは、この状態での走行を許すべきではなかったと振り返った。
「バクーでは客観的に見て、本来は走ってはいけないダメージのあるマシンを走らせてしまった」
「あれはアルファタウリの1台で、リヤウイングが損傷してテープで固定されていた。そんなのバカバカしい。明らかに我々のミスだ」
「その結果、限界ぎりぎりのクルマでも危険と判断してしまうという、ちょっとした過剰反応が生まれたんだ。一方向に行き過ぎてしまった」
「アメリカの後、我々はいくつかの是正措置を取ったと思う」
トンバジスは、何をもってオレンジボール旗が必要なほどマシンが損傷していると判断するのかを数値化するのは難しいとしながらも、「99%のケースで」チームは正しい判断を下し、マシンをピットインさせるだろうと語った。
「というのも、チームというものはかなりの責任があるから、我々が介入する必要がないんだ」
「しかし、たとえばフロントウイングのエンドプレートがグラグラしているような状況では、オレンジボール旗を出すことはないだろう。もし、接触によるフロントウイングのダメージで、様々なエレメントが互いにぐらつくようなことがあれば、それは危険だと判断する」
「しかし通常、チームはフラップ調整機構をエンドプレートの内側100mm程度に設定しており、接触で外側が壊れても、ウイングの残りの部分が残るようにしているんだ」
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