”10年の遅れ”を取り戻すルノー。ライバルに追いつくのは「まもなく」
ルノーのアビテブールは、当初約10年の遅れがあったチームはそれを挽回しつつあり、まもなくライバルに追いつくことができると語る。

ルノーは資金難に喘いでいたロータスを買収する形で、2016年シーズンからワークスチームとしてのF1プロジェクトを再開した。
ルノーは2001〜2009年にも同チームをワークスチームとして走らせ、2005年と2006年にはフェルナンド・アロンソらを擁し、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得した。
しかしその後、ジニー・キャピタルがチームを所得しロータスとなった後は、前述の通り次第に財政状況が悪化していくことになった。
「以前の所有者の時は、明らかに投資が不足していた」
ルノーのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールはmotorsport.comに対してそう語った。
「しかし、以前ルノーがチームを持っていた時の終盤にも、我々は近代化するチャンスを失った」
「2007〜2009年頃を振り返ってみると、素晴らしい状況ではなかった。そして、エンストンのチームへの投資が滞り始めたんだ」
「だから我々は、2007〜2008年頃からの遅れを取り戻す必要がある。その10年の間に、F1の世界はガラリと変わってしまったんだ」
しかしアビテブールは、ルノーが直面している課題を認めつつも、ライバルと同等のリソースを再び手にするのは、それほど遠くないことだと考えている。
「我々には、達成すべき大きな仕事がある。そしてそれに向け足並みが揃っている」
そうアビテブールは語る。
「インフラは整いつつあり、人材も揃いつつある。商業的な側面……それは心躍るようなモノではないが、資金を調達するのも重要だ」
「我々には新しいパートナーを獲得するための活動を成功させつつある。そして彼らはこのプロジェクトを信頼しており、ファクトリーでの進捗を目にすることができる。おそらくはまもなくコースでもね」
ルノーは2016年からF1スタッフの増員を始め、当初の400人から今では500人を超える規模にまで膨れ上がっている。また、シャシー面のテクニカルディレクターであるニック・チェスターによれば、その数は2018年の終わりまでに”おそらく”700人に達するという。
「各部門が適切にコミュニケーションを取っていることを確認するため、よく見守っていかなければならない」
そうチェスターは付け加えた。
「でも実際には、2015年末以降の成長については、かなりうまく機能していると言わなければならないだろう」
「コミュニケーションを取っていない部門にも、実際には大きな問題はなかった。そして、我々はより多くのことができるようになった」
「部門間でバランスが取れていることを確認するだけだ」
「リソースを正しく分配するのは、少し難しいことだった。しかし、スタッフが増えたおかげで、それほど痛みを伴わずにそれを行うことができた」
エンストンのファクトリーが、ライバルチームと同等のレベルになっているのかと尋ねられたチェスターは、次のように語った。
「いや、まだだ。しかしその過程は非常にうまくいっている」
「ほとんどの作業は最終段階に入っている。だから2月には完了するはずだ」
「また、インフラを整える作業もほとんど完了している。だからおそらく、70%というところだろう」