ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

2019年F1マシンはこう変わる? レース改善目指して空力規則を改訂へ

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2019年F1マシンはこう変わる? レース改善目指して空力規則を改訂へ
Giorgio Piola
執筆: Giorgio Piola , Technical Editor
協力: Matt Somerfield
2018/05/26 5:48

F1はレースの質を向上させるべく、2021年のレギュレーション見直しを前に、2019年の空力レギュレーション変更を目指している。

 F1は、オーバーテイクを増加させレースの質を向上するため、2019年の空力レギュレーション変更する方向で合意した。その変更点を確認していこう。

 開幕戦のオーストラリアGPや、バルセロナでのスペインGPは、オーバーテイクの少ないまるで行列のようなレースになってしまった。現代のハイダウンフォースなF1マシンでは、接近して走ることができずオーバーテイクが難しいということを強調している。

 F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンが率いる特別チームがこの問題を詳細に分析し、解決策をチームに提案。それらの対策はチームによってさらなる分析が行われた。そして、レッドブルなどいくつかのチームの反対があったものの、2019年に向けて空力のレギュレーションを変更する方向で合意した。2021年にレギュレーション一新の機会はあるが、来季もこれを微調整し短期的な解決を図るのが狙いだ。

 今後は、FIA世界モータースポーツ評議会で承認を得てから、2019年のレギュレーションに変更が正式に採用されることになる。レギュレーションの再変更には、各F1チームを含めた全会一致の合意が必要となる。

 変更点としては大まかに言って、フロントウイングを幅広にしシンプルにすること、フロントのブレーキダクト周りを整理すること、リヤウイングを幅広にしDRSの効果をより高めることの3点となるようだ。

 動画で説明されているように、フロントウイングを単純化することで、マシンの後ろについた際の空力学的な損失を減らし、前を走るマシンをより追従しやすくなる。

 フロントウイングの全幅は1800mmから2000mmへと拡大されるが、ウイング上に追加されていたカスケードウイングやr字状のベイン、さらにエンドプレートのカナードなどは禁止される。これらのパーツはフロントタイヤで生まれる空気抵抗を減らし、タイヤが生む乱流を制御する機能を持つ。また、フロア前端に気流を導くことでフロア及びディフューザーのパフォーマンスを向上させる役割も持ち合わせていた。さらにフロントウイング裏の気流をコントロールするストレーキも2本に制限され、フロントエンドの空力処理には大きな変更が求められる。

 フロントのブレーキダクト周りの簡素化もフロントウイングと並行して変更され、空力学的なメリットよりもむしろ、本来の目的である冷却をメインにするよう促す。

 ダクトから取り入れた空気を車軸から放出する”ブロウンアクスル”も禁止される。今季は、フェラーリやレッドブル、ハース、マクラーレン、フォースインディアがブロウンアクスルを用いて、フロントタイヤ周りの乱流を制御していた。

 マシン後部の変更は少ないが、リヤウイングは20mm高く、100mm幅広に。エンドプレート上部のルーバーは禁止され、よりシンプルにされる。ウイングが大きくなることによりダウンフォースを発生させる表面積が増える。また、DRSが開いた際のギャップも65mmから85mmに増加し、DRSの効果がより強力になると予想される。

 これらの調整から、レギュレーションの見直しが行われる2021年に、F1マシンがどうなっていくかも垣間見ることができる。

 空力レギュレーション調整以外には、燃料の最大搭載量が105kgから110kgに緩和される。これにより、レース中にドライバーが燃費を気にして走行することを減らすことが目的だ。そして、ドライバーとシートを合わせた重量に最低値を設定することで、ドライバーの過度なダイエットを避けるといった変更も加わっている。

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シリーズ F1
執筆者 Giorgio Piola
記事タイプ 分析