F1オーストリアFP2:ルクレール首位も勢力図は未だ見えず。上位陣にスピン相次ぐ大波乱
F1第9戦オーストリアGPのフリー走行2回目が行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールがトップタイムをマークした。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB15 after the crash
Steven Tee / Motorsport Images
F1第9戦オーストリアGPのフリー走行2回目は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がトップで波乱のセッションを終えた。
今週末は熱波に襲われているヨーロッパ。山間部に位置するレッドブルリンクも例外ではなく、気温は30度、路面温度は51度まで上昇しFP2開始時刻を迎えた。
90分間のセッションがスタートすると、ハース勢がまずコースイン。ケビン・マグヌッセンはハード、ロマン・グロージャンはミディアムとタイヤ選択を分けて走り出した。
パワーユニットのアップグレードにより、すでにグリッド降格が決まっているアレクサンダー・アルボン(トロロッソ)はがソフトタイヤで積極的に周回。1分07秒019でセッション序盤にトップに立った。
中団チームの多くがコースインしタイムを記録する中、ランス・ストロール(レーシングポイント)やアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)は最終コーナー外側の高い縁石でマシンにダメージを負う場面もあった。
セッション開始から15分が過ぎると、上位チームも始動。フェラーリはシャルル・ルクレールにミディアムタイヤ、セバスチャン・ベッテルにハードタイヤを履かせた。メルセデスもバルテリ・ボッタスがミディアム、ルイス・ハミルトンがハードとタイヤを分けた。
ハードタイヤを各1セットしか持ち込んでいないレッドブルはマックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー共にミディアムタイヤで走行。ガスリーはターン4でタイヤをロックさせてしまい、グラベルに飛び出したもののクラッシュは免れた。
セッション開始30分が過ぎたタイミングで、トップはボッタスの1分05秒417。ハミルトンはハードタイヤでの3回目のアタックで0.112秒差の2番手につけた。ただ、どちらも最終コーナーなどでコースを飛び出すシーンもあった。
フェラーリ勢が3、4番手に続き、新旧フロントウイングの比較を行ったフェルスタッペンが5番手となった。
セッション残り時間が1時間を切ると、新品のソフトタイヤで各車が予選シミュレーションを開始。しかし、ミディアムタイヤを履いていたフェルスタッペンが最終コーナーでコースオフし、リヤからタイヤバリアにクラッシュしてしまったことで、セッションは赤旗中断となってしまった。
リヤのグリップを失ったフェルスタッペンのマシンは、挙動を乱してランオフエリアに飛び出し、バリアまで一直線。リヤウイングが大破した他、右リヤサスペンションも破損するなど大きなダメージを受けた。予選想定のアタックができなくなっただけでなく、決勝に向けたロングランもできずにグランプリ初日を終えることとなった。
約7分ほどの中断を経て、残り時間47分からセッション再開。しかし、今度はボッタスがターン6でクラッシュしてしまい、再度の赤旗掲示となった。リヤを滑らせたボッタスは修正舵を当てたものの、急にグリップを取り戻したマシンが向きを変え、フロントからタイヤバリアにクラッシュしてしまった。
残り時間36分から走行再開となったものの、ベッテルが最終コーナーでスピンしてしまい、またしても各車がすんなりとアタックできない波乱の展開に。幸いバリアの手前でベッテルのマシンは停止したものの、最終セクターで黄旗が出され、アタックを中断せざるを得ないマシンもあった。
残り時間が30分を切ってしまったこともあり、各車慌ただしくロングランにプログラムを移行。ハミルトンはハードタイヤで記録した自己ベストタイムを更新できぬまま、ソフトタイヤの評価を進めた。
その後、ルクレールとジョビナッツィが接触しかけた他、サインツJr.がハードタイヤで走行中にコースオフしたが、大きなトラブルは発生せずにセッションは終了した。
ソフトタイヤで20周前後の走行を行ったチームが多く、それほど大きな性能劣化はなかった様子。チームメイトを欠くハミルトンがソフトからハードへと履き替えた一方で、ガスリーはソフトタイヤを集中的にチェックした。
最終的に、セッショントップはベッテルのスピン直前にタイムを記録したルクレール。1分05秒086というタイムだった。2番手はボッタス、3番手はソフトタイヤでタイムを計測したガスリーだった。
ボッタスや4番手だったハミルトン、8番手のベッテル、9番手フェルスタッペンはソフトタイヤでタイムを更新できなかった他、ソフトタイヤでタイムを記録したマシンの多くは万全の状況でのアタックだったとは言えないだろう。
中団勢も、マシンごとに大きくポジションが異なるチームも多く、勢力図は見えてこない。ただ、ルノー勢はニコ・ヒュルケンベルグが16番手、ダニエル・リカルドは17番手と下位に沈んだ上、DRSのフラップがストレートエンドでバタつく症状がFP1に続いて発生していたのも気になるところだ。
トロロッソ・ホンダは、アレクサンダー・アルボンが13番手、ダニール・クビアトが15番手だった。
F1第9戦オーストリアGP:フリー走行2回目結果
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | シャルル ルクレール | 37 | 1'05.086 | 238.834 | ||
2 | バルテリ ボッタス | 12 | 1'05.417 | 0.331 | 0.331 | 237.626 |
3 | ピエール ガスリー | 33 | 1'05.487 | 0.401 | 0.070 | 237.372 |
4 | ルイス ハミルトン | 43 | 1'05.529 | 0.443 | 0.042 | 237.220 |
5 | カルロス サインツ Jr. | 44 | 1'05.545 | 0.459 | 0.016 | 237.162 |
6 | ロマン グロージャン | 38 | 1'05.701 | 0.615 | 0.156 | 236.599 |
7 | キミ ライコネン | 37 | 1'05.728 | 0.642 | 0.027 | 236.501 |
8 | セバスチャン ベッテル | 34 | 1'05.871 | 0.785 | 0.143 | 235.988 |
9 | マックス フェルスタッペン | 13 | 1'05.879 | 0.793 | 0.008 | 235.959 |
10 | ランド ノリス | 48 | 1'05.952 | 0.866 | 0.073 | 235.698 |
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