F1オーストリア予選:ルクレール圧巻PPも、ベッテルに悪夢。フェルスタッペン3番手
F1第9戦オーストリアGPの予選は、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。
Pole Sitter Charles Leclerc, Ferrari celebrates in Parc Ferme
Steven Tee / Motorsport Images
F1第9戦オーストリアGPの予選が行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールがコースレコードを更新し、今季2度目のポールポジションを獲得した。
Q1:フェルスタッペンがトップ。クビアトに不運
18分間の予選Q1は気温28度、路面温度52度でスタート。ウイリアムズのロバート・クビサを先頭に、アルファロメオ勢が続いてコースインしていった。FP3でマシントラブルに見舞われ、ギヤボックスを交換したケビン・マグヌッセン(ハース)も無事にアタックに向かった。
ほとんどのマシンがソフトタイヤを履いてコースインしたが、トラフィックを警戒してか、フェラーリ勢やレーシングポイント勢はミディアムタイヤを装着した。
最初のアタックでトップに立ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。1分04秒138を記録した。チームメイトのセバスチャン・ベッテルが続き、ピエール・ガスリー(レッドブル)が3番手となった。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、コースインを遅らせアタックへ。大歓声を受けながらアタックし、5番手となった。メルセデス勢は、トラフィックの影響でコースオフしながら道を譲る場面もありルイス・ハミルトンが4番手、バルテリ・ボッタスが7番手となった。なお、ハミルトンはキミ・ライコネン(アルファロメオ)のアタックを妨害したとして、審議対象となった。
フェルスタッペンは、他車がピットインし空いたコース上でタイムアップ。セクター2で全体ベストを更新し、2番手に浮上した。
残り時間が5分を切り、8番手マグヌッセン以下のマシンがアタックへ。6番手と好調のランド・ノリス(マクラーレン)もアタックに出た。
この時点でライコネン、ダニール・クビアト(トロロッソ)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ウイリアムズ勢がQ1脱落圏内となった。
クビアトは自己ベストを更新するペースを見せていたものの、最終セクターでスロー走行のマシンに遭遇してしまいコースオフ。タイム更新することができなかった。この件で、クビアトのアタックを妨害したとしてジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が審議対象となっている。
ライコネンはタイムアップすることに成功し、Q2に進出。代わってセルジオ・ペレスが弾き出されてしまい、ミディアムからソフトに履き替えたレーシングポイント2台が揃ってQ2に進めなかった。Q1敗退は、16番手以下、ペレス、ストロール、クビアト、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ロバート・クビサ(ウイリアムズ)というオーダーとなっている。
Q1トップタイムはフェルスタッペン。2セット目のソフトタイヤでタイムを更新し、同じく2セット目のソフトタイヤを使ったハミルトン、ボッタスを上回った。
Q2:メルセデス勢とフェルスタッペン、ミディアムタイヤでQ3進出
15分間のQ2がスタートすると、ミディアムタイヤを履いたメルセデス勢が真っ先にコースイン。同じミディアムタイヤでフェルスタッペンも続いた。一方、フェラーリ勢はソフトタイヤでアタックに入った。
フェルスタッペンが1分03秒835をマークし、メルセデス勢を上回ると、集まったオランダのファンから大歓声を浴びた。しかし、ソフトタイヤを履いたフェラーリ勢がトップタイムを更新。ルクレールが1分03秒459とした。
ガスリーはソフトタイヤで6番手。そこに好調ノリスが7番手で続いた。ロマン・グロージャン(ハース)は縁石でフロントウイングにダメージを負い、ピットへと呼び戻された。
フロントウイングを交換したグロージャンは、残り時間5分を切りコースイン。メルセデス勢は2セット目のミディアムタイヤで再度アタックへ向かった。
グリッド降格ペナルティが決まっているカルロス・サインツJr.(マクラーレン)はコースインせず。フェルスタッペンとベッテルもピットに残り、13台がタイム更新を目指した。
ダニエル・リカルド(ルノー)はアタック失敗したか、ピットに戻り14番手でQ2敗退。グロージャンはチームメイトのマグヌッセンを上回れず、11番手でノックアウトとなった。
グロージャン以下、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ)、リカルド、サインツJr.の5台がQ2敗退。なお、ヒュルケンベルグは5グリッド降格、アルボンはPU交換で最後尾スタートが決まっている。
2セット目のソフトタイヤを使ったルクレールが1分03秒378でQ2トップとなっている。
Q3:ルクレール圧巻。フェルスタッペンが3番手
Q2終了直後から、ベッテルのピットではエンジンカウルが外され、スタッフがテレビカメラからマシンを隠すなど異様な雰囲気となった。
12分間のQ3がスタートすると、アルファロメオの2台がコースイン。その他の8台はピットで状況を見守った。
メルセデス勢が残り8分を切ろうかというタイミングでピットを出ると、各車続々とそれに続くが、ベッテルはピットから動けないまま。
ハミルトンを先頭にアタックへ向かうが、その後ろからアタックしたルクレールが、セクター1だけで0.2秒ほどの差をつける驚異的なペースを見せた。
各車が1度目のアタックを終え、1分03秒208を記録したルクレールが暫定トップ。0.351秒差の2番手にボッタスが続き、3番手にはフェルスタッペンがつけた。一方その頃、ベッテルはアタックを諦めマシンを降りてしまった。
4番手ハミルトン、5番手ガスリーというオーダー。6、7番手にはアルファロメオ勢が続いた。
残り時間2分を切り、ベッテル以外の9台がラストアタックへ。このアタックで、ルクレールはセクター2で全体ベストを更新。1分03秒003までタイムを縮めてコースレコードを樹立し、第2戦バーレーンGP以来のポールポジションを獲得した。
ラストアタックでタイムを更新したハミルトンは0.259秒差の2番手。フェルスタッペンはラストアタックでボッタスを逆転し3番手だった。
マグヌッセンは、チーム史上最高の予選5番手につけたが、ギヤボックス交換のペナルティを受ける。6番手ノリス以下、ライコネン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ガスリー、ベッテルというトップ10。ベッテルはエンジンのエアプレッシャーラインにトラブルを抱えた模様。Q3出走は果たせず、悔しいノータイムに終わった。
予選後の審議の結果、ハミルトンとラッセルに3グリッド降格ペナルティが出された。これにより、ハミルトンが5番グリッドまで降格。フェルスタッペンがフロントロウから決勝に臨むことになった。
【リザルト】F1第9戦オーストリアGP 予選結果
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | シャルル ルクレール | 7 | 1'03.003 | 246.731 | ||
2 | ルイス ハミルトン | 7 | 1'03.262 | 0.259 | 0.259 | 245.720 |
3 | マックス フェルスタッペン | 7 | 1'03.439 | 0.436 | 0.177 | 245.035 |
4 | バルテリ ボッタス | 6 | 1'03.537 | 0.534 | 0.098 | 244.657 |
5 | ケビン マグヌッセン | 6 | 1'04.072 | 1.069 | 0.535 | 242.614 |
6 | ランド ノリス | 6 | 1'04.099 | 1.096 | 0.027 | 242.512 |
7 | キミ ライコネン | 6 | 1'04.166 | 1.163 | 0.067 | 242.259 |
8 | アントニオ ジョビナッツィ | 6 | 1'04.179 | 1.176 | 0.013 | 242.210 |
9 | ピエール ガスリー | 6 | 1'04.199 | 1.196 | 0.020 | 242.134 |
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