分析
F1
トロロッソ・ホンダ、2年目の”飛躍”。STR14をどうアップデートしたのか?
ホンダとの提携2年目を迎えたトロロッソは、2度の表彰台を獲得。シーズンを通じて空力性能の改善に集中し、チーム史上最高タイとなるランキング6位を手にした。
Giorgio Piola Matthew Somerfield
編集: 2019/12/26 7:04
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
トロロッソの2018年型マシン『STR13』は、ホンダ製パワーユニットの搭載が急きょ決まったことから、空力面では妥協を強いられていた。その点、ホンダとの提携2年目を迎えた2019年シーズンのマシン『STR14』は、空力性能の改善に集中することができた。
2018年はコンストラクターズランキング9位だったが、2019年はホンダのパワーユニットが進歩したこともあり、セバスチャン・ベッテルがイタリアGPで初優勝した2008年に並ぶ、コンストラクターズランキング6位となった。
パフォーマンスの浮き沈みは激しく、苦しむレースも少なくなかったが、時折強力なパフォーマンスを発揮。ダニール・クビアトがドイツGPで3位、ピエール・ガスリーがブラジルGPで2位を獲得した。
STR14は、姉妹チームであるレッドブルのRB15とは異なり、フロントウイングのフラップ外側の部分が気流を外向きにコントロールする”アウトウォッシュ”型のウイングを採用。当初はシンプルだったバージボードも、繰り返しアップデートが行なわれていった。
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バルセロナでのシーズン前テストでガレージから出ていくSTR14。初期のバージボードエリアは比較的シンプルな構成となっている。

STR14の開幕戦仕様リヤウイング。トロロッソはリヤウイングのエンドプレート上部を内側に折り曲げた(赤矢印)。以前は、ドラッグを低減するためにリヤウイング上部にルーバー(水平のスリット)が入れられていたが、2019年からは禁止。その代替として考えられた処理だと考えられる。一部の他チームも、のちに同様の処理を行なった。

パフォーマンス向上を目指したチームは、第2戦バーレーンGPに新しいバージボードを持ち込んだ。テストおよび開幕戦で使用された仕様と比べると、バージボードがそれぞれ異なるサイズに三分割されている。また、それに合わせてフットプレートの設計も変更されている。

スペインGPに持ち込まれたSTR14のリヤウイング。ダウンフォースの増加とバランス改善を求めて、リヤウイングを改良。さらに湾曲したスリット入りのTウイングも搭載された。

カナダGPで導入されたサイドミラー。シーズン序盤はミラー全周を囲うようにボディワークがついていたが、他チームのデザインを模倣する形でアップデートを実施した。

ドイツGPでバージボード周辺部を大幅にアップデート。他のチームでも見られたようなブーメランウイングをバージボードに上部に追加した。また、このブーメランウイングは、独特な”ブラインド”スタイルのサイドポッドディフレクターに接続されている。

チームはリヤのダウンフォースを追求し、ハンガリーGPで二段式の大型Tウイングを搭載した。

トロロッソはホームレースであるイタリアGPで、フロントウイングにいくつか変更を加えた。最も大きな変更は、フラップ先端の形状。この領域はY250ボーテックスと呼ばれ、フロントタイヤ後方を横切る渦流をコントロールしており、アップデートにより渦流の形状と方向が変更されたと考えられる。

シーズン後半は、2020年に向けた開発にシフトしていったため、2019年向けのアップデートは少なくなっていった。写真のフロントウイングは、メキシコGP以降に使われたもの。フラップの形状が変更されている他、剛性を上げるためのスワンネック形状サポートの位置も異なる。
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