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分析

レッドブル+ホンダのパートナーシップ1年目、その開発を振り返る

2019年シーズンに3勝を挙げたレッドブル・ホンダ。シーズン前半こそ苦戦したものの、徐々にRB15の戦闘力を向上させ、オーストリア、ドイツ、ブラジルで勝利。メルセデスとフェラーリを苦しめた。そのマシン開発を振り返る。

Red Bull Racing RB 15, cooling Max Verstappen

写真:: Giorgio Piola

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 ホンダのパワーユニットを搭載した1年目、レッドブルの事前の評価は素晴らしいモノではなかった。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、5勝できると主張してはいたが……。

 実際には、マックス・フェルスタッペンがオーストリア、ドイツ、ブラジルと3勝を挙げることになり、ドライバーズランキング3位となった。しかしその一方で、当初チームメイトだったピエール・ガスリーは苦戦。シーズン前半限りでチームを追われ、トロロッソに事実上降格させられることになった。後半戦はルーキーのアレクサンダー・アルボンが加入したが、表彰台を獲得することはできなかった。その結果、レッドブルのコンストラクターズランキングは3位。2018年の獲得ポイントを若干下回った。

 レッドブルはホンダと良好な関係を築き、調和して働くことができた。その関係は、以前のルノーとのそれとは、大きく異なっていたように見えた。その結果、RB15に適したサーキットでは、メルセデスやフェラーリを打ち負かすことに集中することができたのだ。

 一方でガスリーがシーズン序盤に苦しんだため、セットアップやパフォーマンスを最大限発揮するのが難しいマシンであるように見えたが、アップデートにより扱いにくさを改善することができた。

レッドブルRB15のバージボードエリア
レッドブルは、ホンダのPUを搭載したRB15に、即時効果を発揮するモノを探して、急速な開発を行なった。バージボードのエリアに施された最初のアップデートでは、前方の部分にスロットが追加され、後方部分はフロアから離されることになった。
レッドブルRB15のフロントウイング(中国GP)
レッドブルは、翼端板の高さいっぱいまでフラップが立ち上げられたデザインのフロントウイングを選択。複数のチームが、アウトウォッシュの発生を狙い、フラップ両端を低くした中、ある意味従来仕様のソリューションとなった。
レッドブルRB15のノーズ
レッドブルは当初、ノーズ先端にダクトを設けていた。しかしモナコGPに向けてこれを改良。先端を閉じることになった。これによりマシンの重量が減り、軽快になった。またフロントウイング中央部分の”ニュートラルセクション”を通る気流は、マシンのフロアで生み出すダウンフォースのためには非常に重要。これに対する影響も、ダクトを埋めたことで変更された。
レッドブルRB15、モノコック両側の小型フィン
レッドブルは常に様々な角度から研究を重ね、どの解決策が彼らにとって最も重要なのか、それを確認している。カナダでは、モノコック先端付近の両側にフィンを設けてきた。これは、多くのチームが採用した解決策でもあった。ただ、多くのチームは単純なL字型のフィンを搭載したのに対し、レッドブルは周辺を流れる気流への影響を最大化するため、波状の複雑なフィンを用いた。
レッドブルRB15のミラー
リヤビューミラーとそのマウントは、近年様々な形状のモノが登場する、開発が”ホット”になっているエリアだ。FIAはそれに歯止めをかけようとしたが、各チームのデザイナーたちは、それを回避する形を見つけた。
レッドブルRB15のフロントウイング(オーストリアGP)
レッドブルは、シーズン初勝利を手にしたオーストリアGPに、アップデート版のフロントウイングを投入した。これは、フラップの先端の形状を変更し、ここで生み出される気流の渦を緩和しようとしたものだ。
レッドブルRB15のサイドポッドフィン
レッドブルは、フロアの端に4つのフィンを立てた。これによって、隣接するフロアのスリットに向けて流れる気流も改善されているはずだ。
レッドブルRB15のクーリング
レッドブルは、エンジンカバーの上部に、冷却用の開口部を設けたこともあった。これは、過去にメルセデスも採用した解決策である。しかし、何度かテストされたものの、レースで使われることはなかった。おそらく、気温が高いコンディションや標高が高く気圧が低いために冷却が難しいコースで、パワーユニットにかかるストレスを改善するはずだ。
レッドブルRB15、リヤウイングの比較
レッドブルがスパとモンツァに持ち込んだリヤウイングの比較である。いずれのコースも、ストレート区間が長く、可能な限り空気抵抗を減らしたいところだ。レッドブルはそのコース特性に最適化するため、積極的な解決策を採用。できる限り小さな角度のリヤウイングが使われた。
レッドブルRB15、バージボード
レッドブルはロシアGPに、このイラストに見られるバージボード先端の変更を含む、いくつかのアップデートを持ち込んだ。
レッドブルRB15、フロントサスペンションレイアウト
レッドブルRB15のコクピット先端に収められた、フロントサスペンションの構造。ベルビルスプリング式のヒーブダンパー(矢印の部分)が装備されている。
レッドブルRB15、リヤアッパーアーム付近の冷却用開口部
メキシコGPの標高と暑さに対応するため、レッドブルはリヤサスペンションのアッパーアーム付け根部分に、冷却用の開口部を設けた。また、最大限のダウンフォースを発揮するために取り付けられた、単一エレメントのTウイングにも注目である。標高が高いと気圧が低くなり、発生するダウンフォースも減る……これに対する解決策である。
レッドブルRB15のSダクト開口部
レッドブルのモノコック前端付近には、Sダクトの開口部が設けられている。シーズン前半はこの開口部がモノコックの幅いっぱいに広げられていたが、後半にはこの開口部が狭められた。これにより、フィンの効果を向上させる可能性がある。
レッドブルRB15のフロントウイング
レッドブルはシーズンを通じてほどんと同じデザインのフロントウイングを使った。彼らがシーズン中に行ったのは、フラップや翼端板のサイズ&形状を微調整しただけだ。
レッドブルRB15のフロントウイング
しかし終盤の数戦には、フリー走行で2020年シーズンに向けた新たなフロントウイングのコンセプトをテストした。2019年に使われたモノと大きな違いはないが、それでもチームが来季目指している方向性の一端を見ることができる。この新しいデザインのフロントウイングは、そのメインプレーンが持ち上げられ、下部に取り付けられたストレーキが、多く露出するようになっている。またフラップの高さも下げられ、翼端板との間に段差が出来ている。これにより、フロントタイヤを避けるように気流を流すことを目指しているようだ。
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