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F1レースディレクター、グロージャン事故現場の修復作業を説明「全ての責任は私にある」

F1のレースディレクターであるマイケル・マシが、ロマン・グロージャンの事故で損傷した現場がどのように修復されたのか、そしてどんな体制で検査されていたのかを説明した。

Michael Masi, Race Director, FIA, attends the scene of the huge crash for Romain Grosjean, Haas VF-20, on the opening lap

Michael Masi, Race Director, FIA, attends the scene of the huge crash for Romain Grosjean, Haas VF-20, on the opening lap

Mark Sutton / Motorsport Images

 FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシが、F1バーレーンGPで起きたロマン・グロージャン(ハース)の大クラッシュの後、いかにして現場が修復されたかを説明した。

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 バーレーンGPの1周目、ターン3を立ち上がったグロージャンは、前方が複数のマシンで詰まったため、急に右に進路を変更した。しかしそこにはアルファタウリのダニール・クビアトがいたため、2台は接触。グロージャンはこれでコントロールを失い、コース脇のガードレールに激突。マシンのモノコック部分はガードレールを突き破り、後ろ半分が折れてしまった。また、漏れ出た燃料に引火し、爆発的に炎上することになった。

 当該エリアはクラッシュの影響で大きなダメージが及んだため、急遽修復作業が行なわれることになった。これについてマシは、次のように説明した。

「修理の観点から言えば、最終的な責任は、サーキットの検査担当官、安全担当者、レースディレクターとしての私にある」

 マシはそう説明した。

「つまり責任は私で始まり、そして私で終わるのだ。もちろん、サーキット工学のチームと相談し、その状況に応じた最適な解決策を、効果的に考案している」

 マシは具体的に、今回のレースでの修復手順を次のように説明した。

「最初は、まずはインシデントをコントロール下に置くことが必要だった。それが完了した後、修復の段階へと移った。私は現場に赴き、状況を自ら調べてから、サーキットのエンジニアたちに彼らが使えるモノと、我々に何ができるかということについて話をした。もちろん、各サーキットの地形などを考慮する必要がある」

「ここは砂地に建設されたサーキットだ。だから構造的な完全性が求められた。そして他のサーキット同様に、彼らは修復に使うことができるコンクリート製のバリアを持っていた。そういう意味では最初の部分は大丈夫だった」

「この修復が最高で、最も効率的なモノだった。そしてそのエリアで可能な最善の修復だったと思う。その上で、安全は最も重要なことだ」

「バーレーン・インターナショナル・サーキットのスタッフたちは、素晴らしい仕事をした。そしてマーシャルやファイヤー・マーシャル、アラン・ファン・デル・メルウェやイアン・ロバーツ博士を含むメディカルカーのチーム、レースコントロールのマネジメント……それぞれがひとつのピースではなく、全員が協力して今回の仕事を成し遂げた。これは全員の功績だ」

 今回の事件がどのように報告されていくのか? そう尋ねられたマシは、報告そして調査の手順について次のように語った。

「全ての事件が確実に報告される。しかし今回のような大きな事件は、FIAの安全部門が調査を主導することになる。F1が所属するシングルシーター部門は、技術的な観点からこれに関わっている。またF1チームのテクニカルディレクターも関与し、サーキット委員会はコースの安全性の面から関与することになる」

 そうマシは語る。

「つまりFIAのグループ内の様々な部分、それぞれの対象分野の専門家全員が、特定の部分を見直し、そこから何が学べるのか、そして何が改善できるのか、そしてそれが大きいのか小さいのか、それともその中間なのかを確認する。こういう事件からは、常に学べることがある。我々が持っている安全システム、安全に関するパッケージは、FIAが長年にわたって取り組んできたもののおかげであり、それによってロマンは比較的軽症で生還することができたのだ」

 とはいえ今回の事故では、グロージャンのマシンがガードレールを突き破ってしまった、このガードレールやバリヤなどはどのくらいの頻度でチェックされ、どんな点が評価されているのか? それについてマシは、次のように語った。

「FIAの観点から言えば、ライセンス制度があり、3年ごとに更新される。検証の体制は、このライセンス制度の代表的な部分だ。しかしF1のサーキットでは、イベントごとにサーキット代表者や他の関係者と共に、徒歩で検査を行なっている。それが一般的に、イベントを開催するにあたって行なう検査だ」

「一般的に言えば、特定のひとつのことだけを見るわけじゃない。全てのモノを一緒に見るんだ。そしてサーキットには、各国のASN(モータースポーツ管轄団体)が関与している」

「また、ライセンスが発行されるための様々な条件と基準がある。タイヤバリヤ、コンクリートのウォール、デブリフェンス、その他フェンス全般……その他たくさんのモノがある。リストの全てをお教えするためには、一晩かかってしまうだろうね」

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