初のタイトル獲得を目指すマックス・フェルスタッペンと前人未到の8度目の戴冠を目指すルイス・ハミルトンが同点で最終戦に望んだ最終戦では、フェルスタッペンの追撃とその僚友セルジオ・ペレスの絶品ディフェンスもあったが、ハミルトンがレースのほとんどを支配した。しかし、最終盤のセーフティーカー出動がふたりを運命づけることに。最終ラップを残してセーフティーカーが解除されたレースでは、出動中にタイヤを換えたフェルスタッペンがハミルトンを抜き去り、そのままトップチェッカー。フェルスタッペンが初のタイトルを手にした。
フェルスタッペンが首位を明け渡すというリスクを冒しながらも2ストップ戦略を選び、残り2周でハミルトンを抜き去って優勝した。これは、3レース前のスペインGPでメルセデスとハミルトンが選んだ戦略と近く、レッドブルとフェルスタッペンがやり返した形となった。この強気な戦略と見事なレース展開に、フェルスタッペンがチャンピオンを狙えるのではないかと感じ始めた読者も多かったようだ。
雨の影響でダンプコンディションの中スタートしたハンガリーGPは、オープニングラップの多重クラッシュで赤旗中断となる波乱の幕開け。首位のハミルトンはリスタート時にピットインしなかったため、前代未聞の“ひとりスタート”の当事者となっただけでなく、タイヤ戦略で後手となり最後尾に落ちた。そんな中でトップに立ったのはアルピーヌのエステバン・オコン。終盤は怒涛の追い上げを見せたハミルトンが迫ったが、首位の座を守りきって初優勝を挙げた。
ハイパーカー規定が導入されて最初のル・マン24時間レースは、トヨタのGR010がワンツー体制を築いた。ところが、ル・マンの女神はトヨタに試練を与えた。2台共に燃料系のトラブルに見舞われたのだ。それでも、挑戦を続け強さを磨いてきたトヨタは負けなかった。チーム一丸となって、レース中にトラブルへの対応策を見つけ出し、レースを走りきったのだ。互角の競争力を持つライバルがいないシーズンが続いているのは事実だが、それでもトヨタは研鑽を続けている。2022年から、多くのライバルがWECやル・マンに参入してくるが、トヨタは高い壁となって立ちはだかるだろう。
2021年のインディ500は関係者の努力により、13万人以上の動員が実現。熱気に包まれて開催された伝統の一戦で、勝利したのはエリオ・カストロネベスだった。終始上位をうかがう位置でレースを進めたカストロネベスは、アレックス・パロウとの首位争いを制し、46歳にして4度目のインディ制覇を成し遂げた。レジェンドと肩を並べたカストロネベスだが、「まだまだ終わりじゃない」とコメントしており、前人未到の5勝目も期待してしまう。インディ3勝目&連覇を狙った佐藤琢磨は終盤に上位につけ十分チャンスがあったものの、燃費戦略が実らず14位となった。
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