2022年のF1マシン、最低重量を3kg引き上げることで合意。フェラーリ代表「軽量化も戦いの一部だが、良い妥協点」

F1チームは、2022年用マシンの最低重量を3kg引き上げることに合意。これで今シーズンのF1マシンは、最低重量は798kgに規定されることになった。

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 各F1チームは、新たなレギュレーション下でマシンを軽量化するのに苦労している。その結果、今季マシンの最低重量は3kg引き上げられ、798kgに変更することで合意に至った。

 2021年は752kgだったF1マシンの最低重量。しかし、18インチホイールや新たな安全基準への対処を含む新レギュレーションが導入された2022年シーズンに向けては、この最低重量が795kgに引き上げられることになっていた。ただ各チームはその最低重量までマシンを軽量化するのに苦労。その結果、最低重量が3kg引き上げられ、798kgになるようだ。

 各チームが軽量化に苦しんだ理由のひとつは、グラウンド・エフェクト効果への対策を強化する必要があるということだった。1回目のテストを行なった結果、今季のマシンではフロア下で大きなダウンフォースを発生することが確認できた一方で、フロアが損傷したり、大きく屈曲してしまうことが明らかになった。この対策としてマシンを補強すると、車重が増えてしまうのは必至である。

 F1のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、チームが難しい問題に直面していることを認める。

「明らかになったのは、重量制限をこの新しいマシンで満たすのは、かなり厳しいだろうということだ」

 ブラウンはF1 TVのインタビューでそう語った。

「数年前のF2のスパで起きた酷い事故、(ロマン)グロージャンの事故、その他の事故が起きたことで、多くの新しい安全に対する取り組みが行なわれた。それにより重量制限、つまり車両の重量が増加することになったのだ」

 制限なく資金を投入することができれば、マシンを軽量化することもそれほど難しくないかもしれない。しかし現在のF1では予算上限額が設定されているため、軽量化に余計な資金を費やすことを減らすために、最低重量を引き上げることで調整が行われた。

 実際にはより最低重量を引き上げることを求めるチームもあったようだが、3kg増加という妥協案に落ち着いたようだ。

 なおこの変更は、FIAの世界モータースポーツ評議会で正式に承認される必要がある。

「誰もがオーバーウェイトだと思う」

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフはそう語った。

「誰もが、実際にライバルたちの車重がどれほど嵩んでいるかを調べようとしている。そのため、小さな一歩が踏み出された」

「我々にとっては軽量化も競争の一部だ。ただ今回がこれまでと異なるのは、コスト上限が引き下げられたことだ。しかし、減量する必要があるかどうかに関わらず、誰もが同じである限りは問題はない」

 フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、3kg増やすことが良い妥協点であることに同意した。

「まずは、今年のクルマが昨年と比べてかなり重いことを忘れてはならない」

 そうビノット代表は語った。

「車重を増やすことは、このスポーツにとっても、スピードを上げることにおいても、決して良いことではないと思う。そこで議論が行なわれ、最低重量を3kg引き上げることが検討されている」

「それは全てのチームにとって良い妥協案だと思う。しかし最終的にはトトが言ったように、軽量化も戦いの一部である。これ以上引き上げるべきではない」

「将来的には、マシンの重量を増やすのではなく、減らすように努めるべきだと考えている」

 アルファタウリのチーム代表であるフランツ・トストは、最低重量に合わせてマシンを設計するのは、非常に難しいことだと当初から感じていたことを明かす。

「もちろん、それは常に難しいことだ。しかも、これは完全に新しいレギュレーションだ」

 そうトスト代表は言う。

「このマシンはとても複雑であり、全てを重量制限に近付けて設計するのは、非常に、非常に難しい作業だ」

「そしてほぼ全てのチーム、もしくはほとんどのチームが、車重が重すぎることが分かる。我々が見つけた妥協点は良いところだと思う」

「ただコストとの問題もある。軽量化のためには、本当に巨額の費用がかかる。そして今シーズンは、コスト制限も設けられている。その結果決められた方法(最低重量を引き上げること)は、全てのチームにとって良い妥協点だったと思うね」

 
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