
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、レース後のランス・ストロール(ウイリアムズ)との接触について、「完全に不必要な接触だった」と話した。
ベッテルは最後尾からスタートしたマレーシアGPを4位で終えた。しかしレース後、ピットに戻る際に8位でレースを終えたストロールとターン5で接触してしまった。
接触の影響でベッテルの左のリヤの足回りは大破。彼はコース上でマシンを止めることになってしまった。さらにはギヤボックスへのダメージも考えられ、次戦日本GPではギヤボックス交換によるペナルティを受ける可能性も浮上している。
ストロールとの接触後、ベッテルは無線で「こんなことありえる?」と話し、以下のように続けた。
「ストロールは自分がどこに向かって走っていたのか見ていなかった。彼は完全に僕にぶつかってきた。本当だよ!」
なおコース上でマシンを降りたベッテルは、パスカル・ウェーレイン(ザウバー)のマシンに乗ってピットまで戻っている。
これについてベッテルは、インシデントの責任はストロールにあると考えている。
「少しラバーを拾おうと思ってアウト側を走っていた」とベッテルは話した。
「ランスは僕のことを見ていなかったようだ。ステアリングを見ていたんだと思う。僕は彼に十分なスペースを残した」
「でも遅すぎた。もう僕はそこにいたし、接触してしまった。(接触は)完全に不要だった。彼は全く僕を見ていなくて、ラバーを拾おうと決めたんだろうね」
ギヤボックスについては、ベッテルはこう話した。
「わからない。調べてみる必要がある。そうすれば状態もわかるだろう。誰かがラバーを拾おうと決めたり他のマシンにぶつかったけど、僕の責任ではない」
一方ストロールは、以下のように話した。
「まるでインラップを走っているみたいに(スペースを)閉じられた。彼がアウト側からやってきて、プッシュし続けた」
「これまでこんなことが起きたことはない」
「スチュワードのところに行くべきだと思った。本当に変なインシデントだったしね。レースが終わった後だったし、僕たちのどちらかが意図的だったわけではない」
スチュワードはこの接触を見直したが、どちらにもペナルティを科すことはないと結論を出した。スチュワードの声明は以下のとおりだ。
「スチュワードは、このインシデントについて全面的に責任を負うべきドライバーはいないと判断した。よってこれ以上の行動は起こさない」
「またレースは終了していたものの、スローダウンラップでも全てのドライバーが注意力を働かせることが必要だ」
猛追を見せたベッテル
ベッテルは決勝レースを最後尾からスタートし、レースを通して攻め続けた。彼はソフトタイヤを履いてレースをスタートし、27周目にピットイン。ここでスーパーソフトタイヤに履き替え、さらにはバルテリ・ボッタス(メルセデス)をアンダーカットし4番手に浮上した。
その後は前を走るダニエル・リカルド(レッドブル)を追いながらラップレコードを更新するペースで走行を続けたが、周回遅れのフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)に引っかかってしまった。
ベッテルは無線で「頼むよアロンソ……本当に。もっとまともなことをしてくれると思ってたよ」と訴えていた。
終盤までリカルドを追いかけていたベッテルだったが、タイヤが厳しくなったのかペースを落とし、4位でレースを終えた。20番手スタートから、16もポジションを上げてのフィニッシュだった。
「完璧には程遠い」と語るライコネン
一方チームメイトのキミ・ライコネンは、土曜日の予選でフロントロウを獲得していたものの、レースをスタートすることができなかった。
ライコネンにはターボの問題が発生したと考えられており、フォーメーションラップの前にマシンはガレージへと押し戻され、スタートまでにトラブルを修復することができなかった。
ライコネンは、「明らかに問題があった。本当に何があったのかわからないし、今はチームの誰もがわかっていないと思う」と話した。
「完璧とは程遠い。こういうことも時には起こるものだ」
「何も言えないけど、今日はとても良いマシンに乗ることができていたはずだったと思う。でも今日は十分ではなかった。どこの位置でレースを終えていたか、それは僕たちにも分からない」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | マレーシアGP |
ロケーション | セパン・インターナショナル・サーキット |
ドライバー | Lawrence Stroll , セバスチャン ベッテル |
チーム | フェラーリ , ウイリアムズ |
執筆者 | Charles Bradley |