”新生”F1にとって、鈴鹿での日本グランプリ開催の重要性とは!?

開催契約延長交渉が難航しているという鈴鹿サーキットでのF1日本GP。しかし”新生”FOMは、鈴鹿を非常に重要視しているという。

 以前もお伝えした通り、F1日本GPの開催契約交渉が、非常に難航している。その理由は、あくまで観客数の減少が最大の要因であるという。にもかかわらず、FOM側は従来の契約の延長線上という条件を提示してきており、そのため議論は平行線をたどっているのだ。

 とはいえ、FOMは大きく変わったと鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの山下晋社長は言う。曰く、リバティ・メディアがF1の新オーナーになったため、これまでにないほど協力的な姿勢で、鈴鹿にも接してきているという。特にPRの面での協力体制の変化は、目を見張るほどのもののようだ。

「事前のプロモーションで、過去にはできなかったようなことができないか、そういうのも含めて議論しています」

 山下社長はそうインタビューに答えた。

「例えば、過去のルールではできなかった、現役のF1マシンをどこかで走らせられないかということも話しています」

「他には、ネットで過去の映像を使えないかということも話しています。ただ、これについては前の体制の時に結ばれた契約があるので、おそらくできないと思います」

 もし、日本GPのためのPRとしてデモランを行うのであれば、いずれかの街で行う方が、効果は高そうだ。これについて尋ねると、山下社長は次のように語った。

「そういう話もあります。ただ、具体的にどこでやるというような話にまではなっていません。彼らも、東京でプロモーションをやりたいとか、そういうアイデアは持っているはずですが、それが今年中にできるかどうかは分かりません」

 ただ新FOMが、アジアに熱視線を送っているのは間違いないようだ。

「世界中のF1開催地のプロモーターが集まっての会議の中で彼らは、アジア地域でのF1プロモーション拡大というのを間違いなく考えているということを言っていました。できれば日本GPの前に、そのアジア地域でのビックイベントをやってくれればいいと思います。彼らもそれは前提に考えてくれています」

 アジアの中でも、日本のことをFOMはどう見ているのか? これについて山下社長にどう感じているか尋ねると、次のように語った。

「当たり前ですけど、大きな可能性を秘めた巨大な中国というマーケットが、近いところにあります。そして彼ら(リバティ・メディア)の本拠地であるアメリカ大陸……このふたつが、上位にあるのは間違いないです」

 そう山下社長は語った。

「マーケットとしての日本の位置付けは、上位には来ないと思います。しかし、鈴鹿のことはカレンダーになくてはならない1戦だと考えてくれている。だからこそ、一応議論はできるんです」

 鈴鹿は昨年、スパ・フランコルシャンと友好協定を結んだ。そのスパは、隣国のオランダ出身ドライバーであるマックス・フェルスタッペンの活躍で、チケットが大いに売れているという。

 日本はどうすればそうなるのか? それについての山下社長の考えを問うと、次のような回答があった。

「クルマも好きだし、スポーツも好きだという人に対して、F1ってこんなに面白いんだよということを伝えるのが、我々の努力不足もあって近年うまくいっていません。でも29回というF1の歴史の中で、延べ800万人弱のお客様にご来場いただいた。だから、F1に興味があるという方は間違いなくいらっしゃると思います。しかし残念ながら、色々なことがあって今の状況になってしまった。でもその方々をベースに、いかに新しいファンにお越しいただくかということだと思います」

 その新しいファンとは……山下社長曰く、広く世界に視野を広げているという。

「鈴鹿以外の開催地は、自国民だけで観客席が埋まっているわけではありません。多くのサーキットが、近隣の国の人たちが訪れて、スタンドを埋めている。鈴鹿はどうかというと、外国の方々の数は数%でしかありません。今の社会環境を考えれば、このままではどうにもなりません」

 山下社長は続ける。

「我々にとって追い風なのは、日本に来られる外国の方の数が、もの凄い勢いで増えているということ。2020年の東京オリンピックに向けては、さらに伸びるでしょう。その流れをしっかりつかまないといけません。F1と、松阪牛とか京都とか、そういう魅力的なモノとのパッケージで、多くの方に楽しんでいただきたいです」

「それから、スパのCEOが来日された際に喜んでいただいたのですが、F1の日本GPに来ると、その翌週にはもてぎでMotoGPの日本GPを観ることができた。そういう意味ではドリームパッケージだと仰るんですよね。もちろん、富士スピードウェイさんでやるWECでもいいです。そういうところでも”日本は凄いんだよ”というところを、お伝えしていきたいと思っています」

 とはいえ、F1日本GPの観客が増えることも、当然期待している。

「今年は、トロロッソ・ホンダがどれだけ活躍してくれるのかというのが、大きいと思います。そして日本のお客様が増えるためには、日本人ドライバーがF1に参戦するというのも重要だと思います。それから、ジャン・アレジさんと後藤久美子さんの息子さんであり、日本になじみも深いジュリアーノがF1に乗ってくれれば、それもすごく強力だと思っています」

「我々のスクール(鈴鹿サーキット・レーシングスクール)も含め、下位カテゴリーで頑張っているドライバーたちが、かなり力をつけてきています。彼らがさらに成長して、F1で活躍してくれれば、ファンを惹きつけてくれるはずです。それも重要だろうなと思っています」

 

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 日本GP
サーキット 鈴鹿サーキット
記事タイプ 速報ニュース