F1メカ解説|アルファタウリが”母国”イモラに持ち込んだアップデート……角田裕毅の活躍にも繋がった?
アルファタウリはF1エミリア・ロマーニャGPに、今季マシンAT03のアップグレードパーツを持ち込んだ。これが角田裕毅の好パフォーマンスに繋がったのかもしれない。
写真:: Erik Junius
アルファタウリは、チームのファクトリーからほど近いイモラ・サーキットで行なわれたF1エミリア・ロマーニャGPに、アップグレードパーツを持ち込んだ。その効果が、角田裕毅の7位入賞に繋がったのかもしれない。
アルファタウリがアップグレードを持ち込んだのは、まずはフロントのブレーキダクトである。
Alpha Tauri AT03 Front brake duct comparison
当初AT03のブレーキダクトは、上下に長く、薄い形状のモノだった。しかしイモラに持ち込まれたブレーキダクトは、上下の長さが短くなり、マシンの中央部に向けて太くなった。これにより、冷却用の気流の取り入れ方を変更し、ブレーキアッセンブリー全体を通る空気の流れを改良している。
このダクトはライバルの多くが使っているデザイン手法であり、タイヤのサイドウォールとタイヤフェンスの間、そしてタイヤフェンスの内側で多くの気流を取り込むことができる。
このダクトの変更に伴い、それに続く配管のレイアウトも変更されている。この配管を通った空気が、キャリパーやディスクを冷やすのだ。また、ブレーキディスクを覆うシュラウドには、熱反射テープも付け加えられている。
Alpha Tauri AT03 floor tunnel comparison
アルファタウリのデザインチームは、フロアの開発にも力を入れている。エミリア・ロマーニャGPでは、ベンチュリトンネル入り口のフェンスを修正してきた。
新しいバージョンは、ベンチュリ・トンネル入口(赤い矢印)のイン側が高くなっている。ただこの部分が高くなったことで、上面との接続部の曲線が急になっている。旧型のバージョン(写真円内の赤い矢印)はより緩やかな曲線を描いていた。
Alpha Tauri AT03 floor comparison
フロアのリヤエンドにも変更が加えられている。まずはフロアの変形を抑えるステーの位置。イモラでは、フロアのより後方にステー(赤い矢印)が取り付けられている。
またリヤタイヤ直前の切り欠き部も変更。緑の線で強調しているフロア後端は、真っ直ぐ車体中心に向かう部分が短くなり、曲線の向きも逆転した。またこの部分に続くディフューザーの外縁部は、旧式のモノと比べてより複雑な形状になった。これにより、発生する渦の形を変更しているのだろう。この処理は、すでに他チームでも行なわれていることだ。
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