F1 スペインGP

初開催マドリンク、急角度バンクは潤滑系にとって課題に? ホンダF1「シミュレーションで再現するのが難しい」

F1スペインGPを前にホンダF1の折原伸太郎チーフエンジニアが取材に応じ、イタリアGPから今回に向けて行なってきた準備、そして今後の開発の焦点について語った。

田中 健一

編集: 2026/09/11 7:51

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Lance Stroll, Aston Martin Racing

Lance Stroll, Aston Martin Racing

写真:: Andy Hone/ LAT Images via Getty Images

 ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎が、スペインGPに向けて施してきた対策などを説明した。

 1週間前のイタリアGPでは、2台揃って予選最下位に沈むなど大苦戦を強いられたアストンマーティン・ホンダ。しかしドライバビリティがここ最近の主な問題だったが、その対策は正しい方向に向かっていると、折原エンジニアは語った。

「(アップデート版のパワーユニットを投入した)オランダGPでは、ドライバビリティにいくつかの問題がありました。そのためイタリアGPに向けては、主に燃焼系の問題に対処するための対策を講じました」

 折原エンジニアはイタリアGPの週末をそう振り返った。

「重要なのは、安定した燃焼と安定したトルク伝達を実現することです。FP1のデータでは良い進展が見られ、ドライバーたちからも前向きなフィードバックを得ることができました」

「その後、週末を通じてデータ設定の最適化を目指し、進むべき方向性が明確になりました」

「イタリアGPの後、全てのデータとフィードバックをテストベンチに持ち帰り、さらにドライバビリティを向上させるための対策を講じてきました。ドライバビリティは常に段階的に改善していく必要がありますが、進むべき方向性は明確になりました」

 今週末のスペインGPは、初開催のマドリンクが舞台。特に急角度のバンクがつけられたターン12”ラ・モニュメンタル”が特徴的である。ここではマシンが大きく傾くため、潤滑系をしっかりと機能させることが重要になりそうだ。

「バンクのあるコーナーは、非常に挑戦的で興味深いと感じました。パワーユニットに関しては、おそらく潤滑システムがもっとも重要なポイントになると思います」

 折原エンジニアはそう語った。

「これは、システムで再現するのがとても難しい課題です。そのため、まずは再現性を高めるために整理したセッティングで走り始め、現状を把握した上で予選に向けて段階的に調整を進めていきます」

 初開催ということもあり、FP1から予選に向けてのタイムの上昇カーブはかなり急激になると、折原エンジニアとしては考えているという。そのペース向上に合わせてエネルギーマネジメントを調整していく必要があるという。

「ここに来る前にシミュレータセッションを何度か実施しました。そこからある程度の見当はつきます」

「しかしFP1から予選にかけて、シミュレーションではラップタイムの大幅な改善が見込まれます。重要なのは、ラップタイムを見ながらエネルギーマネジメントを段階的に調整していく方法、そしてFP1からFP3、予選までの過去のデータから見られた知見をどう活用していくかです。これは、非常に難しい課題だと思います」

 なお折原エンジニアは、シーズン後半に向け、パフォーマンスを向上させるための調整も進めていくと明かした。

「パフォーマンス向上のための細かな調整も行なっています」

 そう折原エンジニアは語った。

「常にパフォーマンスのレベルを最適化するために、キャリブレーション(シミュレーションデータと実走データの整合性を取ること)の変更も加えています。主な焦点はドライバビリティですが、パフォーマンスのために、キャリブレーションの変更も行なっています」

「大きな変更ではありませんが、常に一歩ずつ改善していく必要があります」

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