メルセデス、開幕戦の敗北につながった”ソフトウェアのバグ”を発見

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メルセデス、開幕戦の敗北につながった”ソフトウェアのバグ”を発見
Jonathan Noble
執筆: Jonathan Noble
2018/03/29 9:58

開幕戦で優勝を逃したメルセデスは、調査の結果、使用していたソフトウェアのバグを発見したことを明らかにした。

Andy Shovlin, Mercedes AMG F1 Engineer
(L to R): Andy Shovlin, Mercedes AMG F1 Chief Engineer and Peter Bonnington, Mercedes AMG F1 Race Engineer
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1, Sebastian Vettel, Ferrari and Kimi Raikkonen, Ferrari celebrate on
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 celebrates on the podium
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 W09 EQ Power+
Race winner Sebastian Vettel, Ferrari and Kimi Raikkonen, Ferrari celebrate on the podium
Sebastian Vettel, Ferrari SF71H
Race winner Sebastian Vettel, Ferrari celebrates on the podium with the trophy and the champagne
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 in the Press Conference
Sebastian Vettel, Ferrari on the grid looking at the car of Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 W09 EQ P
Sebastian Vettel, Ferrari SF71H
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 W09 EQ Power+
Race winner Sebastian Vettel, Ferrari celebrates in parc ferme
Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1 and Sebastian Vettel, Ferrari on the podium

 2018シーズンの開幕戦オーストラリアGPでの優勝を逃したメルセデスはその原因の調査結果を発表し、レースで使用しているソフトウェアに”バグ”があったと明かした。

 オーストラリアGPの決勝レースは、序盤からメルセデスのルイス・ハミルトンがトップを快走。優勝に向けて磐石の態勢を築いていた。ハミルトンがピットストップした後も、タイヤを交換せずに走り続けるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とのギャップを徐々に削っていった。

 しかしこのタイミングで、ハース勢がピット作業でのミスによりコース上にストップ。これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が発動した。フェラーリはこのVSCを最大限に活かし、ピットストップを行った。ベッテルはハミルトンの前でコースに復帰すると、そのまま逆転を許さず開幕戦優勝を飾った。

 まさかの逆転に、メルセデス陣営は困惑した。チームのレース戦略ソフトウェアはベッテルがピットストップした際に、ハミルトンがトップを獲り戻すのには十分なギャップがあると示していたからだ。

 当初は、このレース戦略ソフトウェアの不具合が疑われていたが、問題の原因は別のソフトウェアにあったことをチームは発表した。

 バグがあったのは、レース戦略ソフトウェアではなくオフラインで使用されるツール。セーフティカーに関する様々な状況において、コース上にステイアウトしているマシンとピットに入ってくるマシンのラップタイム差を計算するソフトウェアだった。ピットインするベッテルと、コース上を走るハミルトンのラップタイム差に間違いがあったことで、レース戦略ソフトウェアはチームに誤った安心感を与えていたのだ。

 トラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、メルセデスがオーストラリアでの敗北につながった根本的な原因を確認し、再発を防止するための対策をしていることを認めた。

「今回の問題は、我々が使用しているレース戦略ソフトウェアとは全く関係がなかった」と、ショブリンは語った。

「ラップタイムの差を計算するために使っていたのはオフラインのツールであり、そのツールが間違った数字を出すというバグを、私たちは発見した」

「我々が計算した数字(ピットストップでのロスタイム)は約15秒で、実際には13秒にわずかに足りないくらいだった」

「その差が、我々のポジションが安全だと思っていた理由だ。我々は少しマージンがあると思っていたが、2番手にポジションを落とした。オーバーテイクは非常に難しく、勝つことができなかった」

再発防止を徹底

 ショブリンは、メルセデスがこの状況を信頼性の問題と同じくらい深刻に捉えており、将来的にはライバルとのギャップにおいて、マージンを増やすことでより確実に戦っていくと述べた。

「あらゆるデータを集め、何が間違っていたのか、全てを完全に理解する。原因は、常にひとつだけではないからだ」

「タイム差の計算という要素自体にも改善できることがある。しかし、我々は今後のことも考えている。ベッテルがピットに入る前に素晴らしいインラップをしたり、フェラーリが信じられないくらい速いピットストップをした場合にも対応できるよう、マージンを増やして状況をより確実にするつもりだ」

「だから何が起きたとしても、我々は間違っていたことを調べて、それを解決するために努力する。そしてそれを繰り返さないように、プロセスを工夫するんだ」

 メルセデスが直面した問題は、VSC下においてステイアウトしたマシンとピットに入ってくるマシンの具体的なタイム差を計算するのが困難なために発生したと言ってもいい。

 事態を複雑にしているのは、FIAによって決められたタイムより速く走ってはいけないVSCにおいても、ピットレーン入り口付近にある第1セーフティカーラインからピットレーンの速度制限ゾーンに入るまでは加速することが可能だということだ。

 この要素が正確な計算を不可能にしており、第1セーフティカーラインに到達した際の速度やドライバーの攻め具合によって、ピットストップのロスタイムが変わってくるのだ。

 ショブリンも「マシンがどれくらい速くピットエントリーを通過するのかがわからないため、正確に計算することはできない」と話している。

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