ベッテル「メルセデスの”ワンストップ”作戦に、負けを覚悟した」
ベッテルは、2ストップ作戦を変更するという賭けに出る前に、メルセデスの戦略を見て優勝を諦めることも考えたという。








バーレーンGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、メルセデスが1ストップ作戦を採ったのを目の当たりにして、優勝を諦めることも覚悟していたと語った。
ポールポジションからレースをスタートしたベッテルは、難なくホールショットを決め、レースをリードしていた。そして彼は最初のピットストップでソフトタイヤに履き替え、2ストップ作戦を遂行しようとしていた。
しかし、その後ろではバルテリ・ボッタス(メルセデス)がミディアムタイヤを履いて1ストップ作戦を採った。
ピットストップを終えたベッテルは、もう一度ピットストップを行うための十分なマージンを築くことができず、チームが1ストップ作戦への変更という賭けに出る前には優勝を諦めることも頭をよぎったという。
結果的にボッタスを抑えて優勝を飾ったベッテルだが、2位のボッタスとの差はわずか0.699秒だった。
「残り10周の時点で、『すべてコントロールできている』と無線で伝えたんだ……嘘だったんだけどね」とベッテルは語った。
「何もコントロールできていなかった。無線でバルテリのペースが伝えられた時、僕は『そんなペースで走るなんてとんでもない』と返した。マシンの中で計算をして、彼が僕を捉えそうだと思っていた」
「できるだけ状況を整理した。このスティントの終盤は、メルセデスの2台はとても手強かった。でも、最初のスティントでもそうだった。彼らは僕たちが何をしたのかを見ていて、ミディアムタイヤを選択したんだ」
「それを見て、ここで”チェックメイト”だと思った。僕たちはもう一度ピットストップが必要だったからね」
「最初から2ストップ作戦を採るつもりだったけど、計画を変更して、最後まで走りきることにした。だから可能な限りタイヤを労っていた。(作戦変更は)うまくいったけど、かろうじてうまくいった、という状況だった」
「バルテリが近づいてきていたけど、幸運なことに彼には周回が足りなかった。僕としてはとてもラッキーだった」
またチームメイトのキミ・ライコネンも、タイヤ交換時のトラブルによってリタイアするまでは、ベッテルと同様に2ストップ作戦を採っていた。ベッテルは、最後までタイヤを交換しないまま走ることについて、失うものは何もなかったと話した。
「ストレスもプレッシャーもたくさん感じていたけど、コースに留まって優勝か3位でレースを終えようとしていた時は、失うものは何もなかった」
「とても嬉しいよ。あのような状況下でなんとか優勝することができたのだから、格別の勝利だ」
一方のボッタスは、最終ラップのターン1でのブレーキングでベッテルをオーバーテイクできると考えていたが、ベッテルに勝つためには時間が足りなかったと認めた。
「僕たちの方が硬いタイヤ(ミディアムタイヤ)を履いていたから、レース終盤に彼らが厳しい状況になった時にチャンスがあるということを僕たちはわかっていた。実際に彼は(終盤に)苦戦し始めた」
「僕は毎ラップ彼に近づいて、完璧に全てのコーナーを通過した。でも時間が足りなかった。最終的に彼との差はとても小さかったけど、2位でレースを終えたことには非常にがっかりしている」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | バーレーンGP |
ロケーション | バーレーン・インターナショナル・サーキット |
ドライバー | セバスチャン ベッテル , バルテリ ボッタス |
チーム | フェラーリ , メルセデス |
執筆者 | Jonathan Noble |