ホンダ田辺TD「持てる性能を発揮できるPUのセッティングはできた」
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、上海で苦戦していることは認めつつも、パワーユニットのセッティングについては自信を見せる」

ブレンドン・ハートレーが15位、ピエール・ガスリーが17位という結果で中国GPの予選を終えたトロロッソ。同チームにパワーユニットを供給するホンダのF1テクニカルディレクターを務める田辺豊治が、セッション終了後に会見に臨んだ。
ミーティングが長引いたため、会見の開始時間は予定より遅れた。これについて尋ねられた田辺テクニカルディレクターは、次のように説明した。
「スタートの位置が後方なだけに、レースの戦略にはいろいろな選択肢があります。それについて、チームやドライバーとともに検討していました」
「まだ結論は出ていません。選択肢を並べて、それをファクトリーの方でも検討を加えて、場合によってはシミュレーションを走らせたりして、落ち着いてデータを見た上で、明日判断を下します」
バーレーンGPを好成績で終えたトロロッソ。しかし今回ここまではうまく行っているとは言い難い。この結果は予想どおりなのかと尋ねると、田辺テクニカルディレクターは次のように答えた。
「予想がつかない状況で来ていました」
「ここまでまだ2戦ですから。苦戦になるか、あるいは善戦になるのか……バーレーンはああいう結果でしたけど、それが続くのかどうか分からないというところでした。分からないということは、中団の争いが接戦なので、ちょっとしたことでも大きく変わります。そのあたりも含めて、非常に難しい状況に置かれていました」
特にガスリーは、バーレーンで5位だったのが一転、中国ではQ1脱落となってしまった。
「原因が見えていないのが、いけないのだと思います。それが分かれば、チームとしてさらに強くなれるだろうと思っています」
「現段階では、あのクルマがここ(中国)に合わないのか、このコンディションも含めて合わないのか、それともタイヤの使い方なのかセッティングなのか、明らかにはなっていません」
「(ガスリーについては)金曜日から土曜日にかけてクルマが変わっていて、それが今朝走ってから何が悪いのかわからなかった。彼には自分が思い描いていたイメージが残っていたわけですよね。例えばバーレーンの。バランスにしろグリップにしろ、その時のモノが今日のクルマからは出てこなかった。それが重要だったのだと思います」
チームやドライバーは、気温が低く、風が強くなったのが原因ではないかと考えている。これについて尋ねると、田辺テクニカルディレクターは次のように語った。
「気温は、影響があったのではないかという要素のひとつですよね。メカなのかエアロなのか、それともタイヤなのか……エアロだって、気温の影響を受けます。タイヤは路面温度が重要です」
「レーシングチームにとっては、温度は一番重要なところですから、気にしますよね」
「あとは風ですね。昨日も今日も、強さは同じくらいでしたけど、向きが逆でしたから」
一方でパワーユニットには問題無いときっぱりと答える。
「(ここまで問題は)ないです。(セッティングに関しても)大丈夫です。持てるパフォーマンスを十分に発揮できるセッティングはできたと思います」
後方からのスタートとなる決勝だが、田辺テクニカルディレクターは入賞を目指すと語る。入賞への手応えについて訊かれた田辺は、次のように語った。
「当然いつも持っています。そのために、いろんな選択肢を考えています」
予選での最高速は、ハートレーが9位となる325.3km/hを記録している。
「レースを考えると、有利というわけでもないですが、どうにもならないというモノでもないです。そういうパッケージになっています」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | 中国GP |
サブイベント | Saturday qualifying |
ロケーション | 上海国際サーキット |
ドライバー | ブレンドン ハートレー , ピエール ガスリー |
チーム | アルファタウリ・ホンダ |
執筆者 | 赤井邦彦 |