メルセデス、ペース不足認めるも「今季マシンは”プリマドンナ”ではない」
メルセデスのウルフ代表は、今季のマシンは”プリマドンナ”ではないが、昨年のマシン同様に長所と短所があると述べた。












メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、2018シーズンを戦うマシン『W09』は昨年のマシンのような”プリマドンナ”ではないと語った。
土曜日に行われたバーレーンGPの予選では、セバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得しキミ・ライコネンが2番手と、フェラーリがフロントロウを独占した。一方メルセデスはバルテリ・ボッタスが3番手、ルイス・ハミルトンは4番手とフェラーリに先行を許す結果となった。なおハミルトンはギヤボックスを交換したため5グリッドペナルティを科されており、決勝を9番グリッドからスタートする。
ウルフは、ピレリが”シーズンの中で最も粗い路面”と評するバーレーンのトラックで、メルセデスは強さを発揮できなかったと語った。
「以前から話していることだが、とりわけフェラーリとレッドブルに対して、今年はこれまで以上に厳しいシーズンになるだろうと考えていた」
「そのことについては私は嘘をついていない。バーレーンのような非常に路面が荒く、路面温度の高いトラックでは、我々が苦戦しているのが分かるだろう」
昨シーズン、メルセデスはマシンの扱いにくさを「まるで”プリマドンナ”のようだ」と表現していたが、今年のマシン『W09』もプリマドンナであるのかと尋ねると、ウルフは「いいや、今年は違う」と答えた。
「彼女、つまり今年のマシンはプリマドンナではない。ドライバーは昨年よりも一体感を感じているはずだ。だが今日はペースを欠いていた」
しかし彼は、今年のマシンは昨年型のマシンの持っていた特徴を持っているようだと認めた。
「昨年、我々はある特定のサーキットで苦戦していた。バーレーンは過去に結果を出している場所ではあるが、適切なセットアップを見出すことに苦労した年もあった」
「レギュレーションの変更も関心ごとだ。マシンは完全に変わってしまうし、タイヤもそうだ。だが長所と短所を持っているというのも、各マシンのDNAだ。(今年のマシンは)あらゆるものが昨年と変わっているが、長所と短所を持ち合わせたままだ」
日曜日の決勝レースでは、ソフトタイヤを履いてスタートするハミルトンはソフト-ミディアムの1ストップ作戦を採る可能性もあるが、依然として戦略に関しては柔軟な態度を取っているという。
「明日は、1ストップか2ストップかという2種類の選択肢がある。ロングランのデータから判断する限りでは、この2つの戦略を明確に分けて考えることはできない」
そうウルフは明かした。
「おそらく、ほとんどのチームがスタートの状況や、スーパーソフトタイヤが機能するかどうかを考えていくだろう。確かに我々は、ソフトタイヤを履いた場合は他のチームよりも長く走れるというアドバンテージを持っているが、それがどうなるのかは断言できない」
バーレーンGPの決勝レースは日没後にスタートするため、レースが進むにつれて気温が下がる。これによってメルセデスが抱えているタイヤのオーバーヒート問題も緩和されるのではないかという見方もあるが、ウルフはそれを重視していないという。
「レースはレースだ。あらゆることが起こりうるし、それによってこのスポーツはエキサイティングなものになる。純粋なレースペースに関しては、フェラーリ2台の方が優位だと言えるだろう」
「ダニエル(リカルド/レッドブル)も極めて競争力をあるレーサーだ。彼も勝負に絡んでくるはずだ。バルテリがそこを抜け出してハードに攻めることができるか、ルイスが上位へ戻ってこれるかどうか、面白くなるだろう」
「しかしここバーレーンでのレースペースについては、私はフェラーリが最速だと見ている」
最後にウルフは、マシンの温度を管理して一定に保つことが大きな課題になるだろうと述べた。
「常にマシン温度を管理する必要はあるが、最善の空力効果を得るためにどれくらい前のマシンに近づけるかについては楽観視している。トラフィックの中では、全員がどうにかしてそれを管理しようと考えるはずだ」
「皆が予選結果を最大限に活用しようとしているので、ここではそれがトピックとなる」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | バーレーンGP |
ロケーション | バーレーン・インターナショナル・サーキット |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Adam Cooper |