アロンソ、初挑戦WECを語る「毎周状況が異なり、気を抜く隙がない」

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アロンソ、初挑戦WECを語る「毎周状況が異なり、気を抜く隙がない」
執筆: 赤井邦彦
2018/05/18 3:27

今季からF1と並行してWECにもフル参戦するフェルナンド・アロンソが、いきなり優勝という好結果を持ち帰ったスパ6時間レースを振り返った。

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
Winners Fernando Alonso, Kazuki Nakajima, Toyota Gazoo Racing
Winners Fernando Alonso, Kazuki Nakajima, Sébastien Buemi, Toyota Gazoo Racing
Winners Fernando Alonso, Kazuki Nakajima, Sébastien Buemi, Toyota Gazoo Racing
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
Race winners #8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso
Fernando Alonso, McLaren MCL33
Fernando Alonso, McLaren, on the grid
Fernando Alonso, McLaren MCL33
Fernando Alonso, McLaren
Fernando Alonso, McLaren, on the grid
Fernando Alonso, McLaren MCL33
Fernando Alonso, McLaren
Fernando Alonso, McLaren, in cockpit
Fernando Alonso, McLaren
Fernando Alonso, McLaren MCL33
Fernando Alonso, McLaren
Stoffel Vandoorne, McLaren, and Fernando Alonso, McLaren

 今季もマクラーレンからF1にフル参戦するフェルナンド・アロンソ。そのアロンソは、F1と並行してWEC(世界耐久選手権)へのフル参戦もスタート。TOYOTA GAZOO Racingの一員として、各地を転戦することとなった。

 アロンソがWECに挑戦する目的、それはル・マン24時間レース制覇に他ならない。

 アロンソは以前から、世界三大レース(F1モナコGP、インディ500、そしてル・マン24時間)完全制覇を目指したいと語ってきており、そのうちモナコGPはすでに制覇済み。昨年には電撃的にインディ500に挑んだ(結果はリタイア)。そしてル・マン24時間レースは、今年初挑戦となる。

 そんなアロンソは、TOYOTA GAZOO Racing加入初戦となるWEC開幕戦スパ6時間レースに、セバスチャン・ブエミや中嶋一貴とトリオを組んで挑み、いきなり優勝を果たした。そしてその翌週に行われたF1スペインGPの際にFIAの公式会見に臨み、WEC初優勝の感想などを語った。

「初めてのWECで勝てたことは間違いなく良いことだ」

 そうアロンソは集まった記者団に語った。

「これまで長い間表彰台に上がっていなくて、今回の優勝はこれからのWEC参戦計画の素晴らしい準備になった。テスト、シミュレーターをやりながらバクーのF1に行き、その間も前の年のオンボード映像を見るなどしてずっと学習をしていた。TOYOTA GAZOO Racingにとって予選で1&2番手、決勝でもワンツーというのは最高の結果だし、長い間表彰台から遠ざかっていた僕にとってもこれ以上ない結果だった」

「それにしても耐久レースはとにかく長いので、何が起こるか分からない。最初の2時間は順調でも、突然状況が変わることがある。我々も予定外のピットストップという小さなドラマがあった」

「優勝はこの上ない結果だが、それがたとえ2位でも3位でも、完走しただけだとしても素晴らしい経験で、次のル・マンに向けて最高の経験、ウォームアップになったと言える」

 アロンソにとって今回の1勝は、2013年のスペインGP以来となる、実に久々の勝利だった。ただ、今回勝てたことによって、何か状況が変わることはないと、アロンソは語った。

「でも、スパの勝利がF1における僕の状況を変えるとは思わない。F1とWECは異なる選手権だ。これまで僕は常に勝てるクルマに乗ってきたので、勝ちに行くレースをしてきた。F1の最後の勝利が5年も前のこととはいえ、レースの内容は常に良くなっている。バクーのレースが良い例で、結果は7位で、第三者の目から見たら難しいかもしれないが、本人からすれば自信を持てた良いレースだったと思っている」

 またアロンソは、ル・マンに勝つ事の重要性を次のように語った。

「母国のスペインGPとル・マンではどちらの勝利がより意味を持つかとよく聞かれるけど、難しい質問だ。何年か前だとスペインGPだと答えたと思う。母国スペインGPでの優勝は子供の頃からの夢だった。でも、その夢を実現した今は、ル・マンでの勝利が重要な意味を持つと言える。なんと言ってもル・マンは世界最大のレースだ。もちろん誰でも積んだ経験の多寡で異なる意見を持つ」

 今年の1月、デイトナ24時間で初めての耐久レースを経験したアロンソ。LMPマシン、特に今回のWECマシンのドライビングについて、次のように振り返った。

「WECのクルマを運転したときには少々苦戦した。ドライビング・スタイルが全く異なる。でも、WECで走った後でF1に帰って来ても、まったく問題はなかった。自分のドライビング・スタイルはF1で形作られたということがよく分かった。すぐに限界に近い走りができたとも思っている」

「F1では毎周完璧が求められるが、それがF1だと思っている。一方WECでは柔軟な姿勢が求められる。全てに対してオープンでなければいけない。6時間のレースでも1周たりとも同じ周はない。コース上のあらゆるところでトラフィックに出会うし、コンディションは目まぐるしく変わる。タイヤの変化も激しい。運転に関しては高度な適応性が求められるということだ。それも非常に短時間での反応が求められる」

「トロロッソのブレンドン・ハートレーはWECに関しては僕より遙かに経験が豊富(注:ハートレーは昨年までポルシェの一員としてWECに参戦していた)で、そのことを深く認識していると思う。毎周状況が異なり、ドライビング・スタイルが代わり、予想外のことが起こる。それがゴールまで続くので全く気が抜けない。スポーツとしてはドライバーにも観客にとっても、最高のものだ」

 またアロンソは、F1での今季ここまでの結果について、次のように語った。

「F1に関していうと、マクラーレンはいるべき場所にいないことは確かだ。しかし、今シーズンはポジティブなスタートが切れた。これまでの4レースで2台揃って完走しているのは我々だけだ。その全レースでポイントを獲得している」

「3カ月前にここでテストした時には最も走行距離が短く、問題を多く抱えていた。開幕戦オーストラリアでは信頼性に問題があった。それがここではまずは満足するレベルになった」

「ただ、戦闘力の面ではQ3には進めないし、トップ10には入っていない。バルセロナのコースはこれまでのサーキットとはレイアウトが異なり、どのチームも新しいアップデートを施してきている。我々に今必要なのはポイント獲得を続け、選手権4位を守ることだ」

「予選を見ればクルマの性能が良く分かるが、我々はトップから1.8〜2秒は遅れている。他のチームがどれだけQ2でプッシュするかだが、これまでのサーキットはパワーサーキットなので、我々には苦手な場所だった。しかし、バルセロナやモナコは性格の異なるサーキットなので、これまでと違った画が見えるかもしれない。もちろんまだ先は長いが、昨年と比べると大いに進歩している。そのことを考えると今シーズンは良いスタートが切れたということだ」

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