









メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、アゼルバイジャンGPでルイス・ハミルトンが勝利を飾ったことを、「正しいと感じられない」と語った。
メルセデスはアゼルバイジャンGPで、土曜日から強さを発揮し始めたフェラーリの前に苦戦を強いられた。しかしスタート時のタイヤで長く走るという戦略と、レッドブル同士討ちにより出動したセーフティカーのタイミングがピタリと当たり、バルテリ・ボッタスは首位に立つことに成功した。
しかしボッタスはレース終盤にコース上のデブリを踏んでしまったことでパンクに見舞われ、勝利を失うことになってしまった。そしてハミルトンが勝利を手にすることになった。
ウルフは、今季これまでメルセデスを苦しめてきたセーフティカーが、今回は助けになったと認めた。
開幕戦オーストラリアGPでは、ハミルトンがレースをリードしていたにもかかわらず、バーチャル・セーフティカーのタイミングが悪く、勝利を失うこととなった。また中国GPでも、ボッタスがピットレーン入り口を通過する際にセーフティカーが出動し、この際にタイヤを交換したレッドブルに勝利を奪われることとなった。つまり今季これまで、メルセデスはセーフティカーに泣かされ続けてきたのだ。
「ふたつの理由から、今回の勝利が正しいとは思えない……」
そうウルフはハミルトンの勝利について語った。
「第一の理由は、我々のペースは劣っていたということ。そして第2の理由は、残り3周というところでコース上のデブリによってパンクに見舞われたため、最も速かった男が完走できなかったということだ」
「我々全員の感情は、今週末必要なペースを持っていなかったということだ」
「彼(ハミルトン)は、何が正しくて何が正しくないか、それをとてもよく理解している。そして今回はバルテリが勝つべきレースだった」
「しかし、彼はメルボルンで逃した勝利を取り戻したとも言える」
またウルフは、セーフティカーが出動しなくても、ボッタスは新しいタイヤに履き替えることで、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)をストレートで抜くことができると期待していたと語った。
「セーフティカーが出動しなくても、チャンスがあると思っていた。だからバルテリはただ速く、速く、速く走り続けたんだ」
「彼はその後、ウルトラソフトに履き替える予定だった。そして、セバスチャンを倒そうとしていただろう」
またウルフは、ベッテルがリスタート時にボッタスに襲いかかったシーンを見て、非常に驚いたと語る。
「とても興味深いシーンだった。バルテリは再スタートを非常にうまく決め、そしてギャップを広げた。しかしターン1に向け、フェラーリが急速に近づいてきた」
「我々はデータ上で、彼らのエンジンが一番うまく働くと思われる場所を見ることができた。だいたい200km/hくらいだ。そして彼(ベッテル)は追いついてきた」
「彼(ベッテル)はコーナーのイン側を狙った。しかしボッタスは非常に賢かった。ベッテルのクルマがホイールをロックさせているのを見て、イン側の進路を開けたのだ。バルテリを除き、全てのドライバーが今日は何らかのミスを犯したと思う」
この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | ルイス ハミルトン |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Adam Cooper |