ピレリ、各タイヤのタイム差発表。再舗装のバルセロナで新たな問題も
F1にタイヤを供給しているピレリは、プレシーズンテストを終えて、2018年のタイヤコンパウンド間のラップタイム差を推定した。










F1にタイヤを供給しているピレリは、2度のプレシーズンテストで得られたデータを分析し、各タイヤコンパウンド間のラップタイム差を推定した。
1回目のバルセロナテストは悪天候に見舞われてしまったものの、2回目のテストはコンディションが改善。ピレリは今シーズンから6種類に増えるドライタイヤの重要なデータを集めることができた。
得られたデータから、ピレリは各タイヤのパフォーマンスを評価。コンパウンド間の推定ラップタイム差を発表した。
今シーズンで使用されるドライタイヤのコンパウンドはほぼ一新されているが、唯一変化がないのがミディアムタイヤだ。とは言っても、昨年のミディアムと同一というわけではなく、昨年のソフトタイヤがそのまま今年のミディアムタイヤに置き換わっている。
ピレリのスポーティングディレクターであるマリオ・イゾラによれば、このミディアムタイヤと2018年仕様の新しいソフトタイヤのタイム差は0.8秒だと見積もられている。さらに1段階柔らかいスーパーソフトとソフトの差は比較的小さく、0.4秒であると推定している。
紫色のウルトラソフトタイヤとスーパーソフトのタイム差はおよそ0.6秒、今季から新しく導入されるピンク色のハイパーソフトタイヤとウルトラソフトは0.7~0.8秒ほどの差があるという。
イゾラはミディアムよりも硬い2種類のコンパウンド、ハードとウルトラハードについてはタイム差の推定値を発表しなかった。これらのタイヤのデータはほとんどなく、ハードタイヤをメルセデスとザウバーがテスト3日目にわずかに使用したのみだったからだ。
また、今回発表されたタイム差は、バルセロナのカタルニア・サーキット固有のものであり、様々なチームの平均データから決定されたとイゾラは説明した。ただ、ハイパーソフトタイヤのパフォーマンスについては昨年11月に行われたアブダビでのタイヤテストと似通っていたという。
しかし、テスト会場となったカタルニア・サーキットは路面が完全に再舗装されている。これは同地でレースを行うMotoGPが「路面のバンプをなくしてほしい」と要請したためだが、ピレリにとっては昨年との比較ができず、タイヤの評価を行うのが難しくなっているのだ。
「サーキットは、以前とは全く異なる性質を持っている」とイゾラは語った。
「以前は路面が粗く、タイヤのデグラデーションがひどかった。そのため、より硬いコンパウンドが適していた」
「今の路面はかなりスムーズになっているが、グリップのレベルはとても良い。つまりデグラデーションも磨耗も少なくなる」
しかし再舗装の結果としてタイヤの表面がささくれる”グレイニング”や、タイヤ内部に気泡が出来る”ブリスター”といった現象が起きており、特にグレイニングは昨年確認されなかった現象だという。
「いくらかブリスターやグレイニングが起きた」
そうイゾラは述べた。
「グレイニングは、昨年と比較すると新しい現象だ。昨年は全く起きなかった」
「新しい路面はスムーズで左フロントが少し滑るため、グレイニングが発生すると考えている」
「より気温が高くなった5月のスペインGPでここに戻ってきた際には、こういった現象が起きるということは認めなければならない」
「ブリスターが発生することは、新しいマシンがタイヤに入力しているエネルギーの大きさを考慮すれば驚きではない」
この記事について
シリーズ | F1 |
執筆者 | Scott Mitchell |