ホンダ、来季は”レッドブルF1のテクニカルパートナー”。次世代PUの開発には関与せず
ホンダは、来季もF1への関与を続けるものの、あくまでそれはレッドブルのテクニカルパートナーという形であり、スムーズに技術移管の橋渡しをするためだという。
ホンダは、10月7日(木)にオンラインで記者会見を行ない、F1活動を終了した後のレッドブルに対するサポート体制を明らかにした。
ホンダはカーボンニュートラルの実現に向けてリソースを集中するため、今シーズン限りでF1活動を終了することを発表していた。しかし来季以降も、レッドブルとアルファタウリはこのホンダのパワーユニット(PU)を使い続けることを決定。そしてその協力体制の詳細が、この度発表された。
レッドブルとの間で合意されたのは、主に次の3つである。
ひとつは「パワーユニットに関する知的財産権の使用許諾」で、これによりレッドブルのPU開発・運用を担当するレッドブル・パワートレインズが、ホンダ製PUを引き継いで使い続けていくことができるようになった。
ふたつ目は、「ホンダによるレッドブル・パワートレインズへの2022年シーズンにおけるPUの組立支援や、サーキットおよび日本におけるレース運営サポートの実施」である。これにより、来シーズンのレッドブル製PUは、ホンダが組み立ての一部を引き続き担当し、さらにその運営もサポートしていくことになった。
三つ目は「ホンダの英国におけるF1参戦活動の拠点であるHonda Racing Development UK(HRD UK)従業員の、レッドブル・パワートレインズへの転籍」であり、これには現在HRD UKで働く多くのスタッフが手を挙げており、”出向”ではなく、一度ホンダを退職した後、改めてレッドブル・パワートレインズに”入社”するという完全移籍の形になるようだ。
ホンダは来季もこのように、レッドブルのテクニカルパートナーという形でF1に関与するが、それはあくまでレッドブル・パワートレインズをスムーズに立ち上げられるようにサポートするためだ。
レッドブルの来季マシンには何らかの形でホンダの名前が載ることになるものの、レッドブルPUのバッジネームにホンダの名前が残る可能性はなく、レッドブルがPUの名前を決めることになるという。
現在、F1では次世代PUの仕様について、F1に参戦していないマニュファクチャラーも参加して話し合いが進められているが、ホンダとしてはこれに関与する可能性はなく、仮にレッドブルからの要請があったとしても、ホンダとして取り組む予定はないとのことだ。
本田技研工業株式会社のブランド・コミュニケーション本部長である渡辺康治氏は、motorsport.comの質問に次のように答えている。
「次世代PUについては、特に協力する可能性はありません。レッドブル・パワートレインズを立ち上げて、エンジニアも揃ってきていると思います。あくまで2022年の橋渡しというかそのサポートを行ない、彼らがスムーズに自分たちのPU部門を立ち上げられるようにするということです」
「要請があってもできない。今、やるという意志はありませんし、要請もありません」
ホンダのF1活動が終了した後も、日本人ドライバーの育成プログラムはレッドブルと連携して行なわれる。現在のホンダの育成プログラム”ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)”と、レッドブル・グループが主催する”レッドブル・ジュニアチーム”の連携も継続されていくことになりそうだ。
なおこれまでF1をはじめとした4輪レース活動は、HRDを中心に行なわれてきた。しかし今後は、これまで2輪のレース活動を担ってきたHRC(ホンダ・レーシング)に4輪レース活動機能が追加され、ここでレッドブルF1参戦に関する支援も行なうことになる。この体制変更により、2輪・4輪の分野でそれぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図ることになる。
HRCは埼玉県朝霞市、HRDは栃木県のさくら市にある研究所がそれぞれの活動の拠点となっていた。HRCに機能が追加される来年度からも、この両拠点でレース活動が進められていくことになる。
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