恐ろしいほど強かった……日本のファンが選ぶ「最強F1マシン」
「こいつ、最強……」そう思わせたF1マシンは何? 日本のF1ファンが選ぶ最強F1マシン。
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault.
Rainer W. Schlegelmilch
2023年シーズンのF1は、レッドブルが開幕5連勝。うち4戦が1-2フィニッシュと、圧倒的な強さを見せており、早くも歴代最強なのでは……という声が聞こえてきている。これを受け、motorsport.com日本版では、日本のF1ファンの皆さんに「自分が思う最強のF1マシン」を問うアンケートを実施。今回はその投票結果をランキングとしてご紹介する。
5位:フェラーリ『F2002』(2002年)
Michael Schumacher, Ferrari F2002
Photo by: Motorsport Images
2002年シーズンにミハエル・シューマッハーとルーベンス・バリチェロが走らせたスクーデリア・フェラーリ『F2002』。第3戦ブラジルGPで投入され、ふたりがモナコGP以外の15レース全てで勝利。しかも、シューマッハーは全戦で2位以上を獲得している。
なお、2003年の開幕戦オーストラリアGPから第4戦サンマリノGPまでも、このF2002の改良型となる『F2002B』を投入。ある意味型落ちながらも優勝するなど、高い戦闘力を発揮した。
読者からの声:
「素人ながら、一目で最強オーラを感じ取れた1台」
「エースのシューマッハーが、全戦表彰台フィニッシュという快挙を成し遂げた」
「2002年の全レース表彰台獲得が印象的」
4位:ロータス『79』(1978年)
Mario Andretti in the new Lotus 79
Photo by: Rainer W. Schlegelmilch / Motorsport Images
1978年シーズン途中からロータスが投入した『79』。グラウンドエフェクトカーの魁であるロータス『78』の後継マシンとして、空力やレイアウトでさらなる昇華を遂げ、その年のマリオ・アンドレッティのドライバーズタイトルとチームのコンストラクターズタイトル獲得に貢献した。チームメイトのロニー・ピーターソンも1勝を挙げるなど、この年計6勝を挙げている。
その圧倒的なダウンフォース量から、フェラーリをはじめとするライバルチームも追従。1982年限りで禁止されるまでは、グラウンドエフェクト黄金時代となった。2022年シーズンから導入された現在の技術規定にも通ずるところがある。
また、ジョン・プレイヤー・スペシャル(JPS)のブラックとゴールドのアイコニックなカラーリングから、”ブラックビューティー”として親しまれている。
読者からの声:
「現在でも生きてる、床下を積極的に使うという技術を広めたマシン」
「ブラックにゴールドのラインというシンプルなカラーリングに、ピーターソンのブルーのヘルメットが映えてました」
「地球を味方につけた」
3位:メルセデスAMG F1『W11 EQ Performance』(2020年)
Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11, 3rd position, performs some celebratory donuts at the end of the race
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
2020年シーズンのチャンピオンマシンであるメルセデスAMGF1『W11 EQ Performance』。メルセデスはCOVID-19の影響で短縮されたこのシーズンで、17戦中13勝、15回のポールポジションを獲得し、ルイス・ハミルトンの7度目のタイトル獲得に貢献した。
規定変更でこの年限りで使用禁止となってしまったものの、W11にはフロントタイヤのトー角を調整する2軸のステアリングシステム”DAS”が搭載された。ドライバーがストレート上でステアリングを押し引きしていることがプレシーズンテストで分かると、一気にパドックの注目を集めた。
またメルセデスはシルバーを基調としたカラーリングを、Black Lives Matter運動をサポートすべくブラックへ変更。強者としての畏怖を増幅させる見た目となった。
読者からの声:
「過去最高のコーナリングスピードと数々のレコードラップ」
「メルセデスの最高傑作。スパのプーオンをノーブレーキでコーナリングしてしまう恐ろしいマシン」
「DASを備えた圧倒的な戦闘力に黒いカラーリングも相待って、まるでスターウォーズのベイダー卿のような強さでした。レッドブルファンの自分にとっては絶望のシーズンでした」
2位:マクラーレン・ホンダ『MP4/4』(1988年)
Ayrton Senna, McLaren MP4/4
Photo by: Sutton Images
1998年のF1を席巻したマクラーレンの『MP4/4』。アイルトン・セナとアラン・プロストのコンビが16戦中15勝、15回のポールポジションという脅威的な強さを見せつけた。
ブラバムから加入したゴードン・マレーが設計に携わり、超低重心のシャシーを実現。高出力かつ低燃費、高い信頼性を兼ね備えたホンダのV6ターボエンジン『RA168E』、グリッド最高レベルのドライバーコンビという三拍子が組み合わさったことで、ライバルチームは手も足も出なかった。勝率93.8%という記録は、35年経った今でも破られていない。
読者からの声:
「他車全てを周回遅れにする圧倒的な速さにカラーリング。セナ、プロストのどちらかが勝つと思いながら見ていた」
「子供の頃初めてF1を見たシーズンが1988年。セナとプロストで16戦15勝。しかも優勝できなかったイタリアGPも残り数周までトップ。文句なしの最強F1マシンだと思う」
「ライバルが肉薄するシーンすらなかった無慈悲な強さ」
1位:ウイリアムズ『FW14B』(1992年)
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault
Photo by: Rainer W. Schlegelmilch / Motorsport Images
1992年のチャンピオンマシンであるウイリアムズ『FW14B』。空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイがデザインした前年度マシン『FW14』の正常進化版であり、当時としては革新的な技術を集約した一台だ。
最も特筆すべきは、リ・アクティブサスペンション。アクティブサスペンションはこれ以前にも実戦投入されたが、このFW14Bのリ・アクティブサスペンションはフルアクティブではなく、パッシブサスを併用するセミ・アクティブにすることで、高い能力を発揮。路面からの入力をサスペンションが能動的に受け止め、車体の姿勢変化をコントロールし、常に安定した空力性能を発揮できるようにした。その他にもセミATギヤボックス、トラクションコントロールなどの”ハイテク”技術を詰め込んだ。
この年、ナイジェル・マンセルが16戦中9勝。8月のハンガリーGPで自身のタイトルを決めてしまうという強さだった。チームメイトのリカルド・パトレーゼの1回を含め、FW14BはカナダGP以外の15戦でポールポジションを獲得している。ちなみに、乗り心地はかなり悪かったらしい。
読者からの声:
「あの当時の超ハイテクマシン。ハイテクの塊。メカニックがピットで上下に(サスペンションを)ウニョウニョ動かす姿に近未来を感じました」
「パワーさえあれば最強という時代を、完全に終止符を打った」
「セナファンからみて、ボディの美しさ、アクティブサスペンションの圧倒的な性能に絶望感を覚えました」
最強F1マシントップ10ランキング
- ウイリアムズ『FW14B』
- マクラーレン・ホンダ『MP4/4』
- メルセデスAMGF1『W11 EQ Performance』
- ロータス『79』
- フェラーリ『F2002』
- マクラーレン・ホンダ『MP4/6』
- フェラーリ『F2004』
- ブラウンGP『BGP001』
- ブラバム『BT46B』
- マクラーレン・メルセデス『MP4-20』
番外編
-
フェラーリ『641/2』
「美しく速い」
-
マクラーレン・ホンダ『MP4/5B』
「あの音を超えられるのは無い」
-
スーパーアグリ『SA07』
「物理的に速いマシンはいくらでも思いつきますが、最強だと思わせてくれたのは2007年カナダGP佐藤琢磨がアロンソを抜いたSA07。あの瞬間、間違いなく最強のマシンだと思いました」
-
レッドブル『RB18』
「年間優勝記録を塗り替えるほどの強さだった」
Share Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。