「手術前のラウダの余命は残り数日だった」手術担当の医師らが明かす

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「手術前のラウダの余命は残り数日だった」手術担当の医師らが明かす
Charles Bradley
執筆: Charles Bradley
協力: Norman Fischer
2018/08/09 5:57

元F1チャンピオンであるラウダの手術を担当した医師たちは、手術に関する詳細な情報を発表した。

Niki Lauda, Non-Executive Chairman, Mercedes AMG
Toto Wolff, Executive Director, Mercedes AMG, Emilia Bottas and Niki Lauda, Non-Executive Chairman, Mercedes AMG
Herbert Kickl, Austrian Interior Minister with Niki Lauda, Mercedes AMG F1 Non-Executive Chairman and Toto Wolff, Mercedes AMG F1 Director of Motorsport
Niki Lauda, Mercedes AMG F1 Non-Executive Chairman and Herbert Kickl, Austrian Interior Minister
Niki Lauda, Mercedes Non-Executive Chairman
Niki Lauda, Mercedes AMG F1 Non-Executive Chairman, Toto Wolff, Mercedes AMG F1 Director of Motorsport and Frederic Vasseur, Sauber, Team Principal

 元F1ドライバーで、3度のタイトルを獲得したニキ・ラウダは、肺の移植手術を受けた。手術を担当した医師たちによれば、この時点で手術前のラウダの余命は残り数日だったという。

 先週、オーストリアのウィーン総合病院で肺の移植手術を受けたラウダだが、現在では快方に向かっているとみられている。8日(水)には7人の医師が集まり、ラウダの緊急手術に関する詳細な情報を明らかにした。

 ウィーン総合病院の呼吸器科の代表であるマルコ・イドツコ医師は、次のように語った。

「ミスター・ラウダは、肺胞出血と呼ばれる症状に苦しんでいた。これは肺胞(肺の空気嚢)の炎症であり、肺組織と呼吸器の出血と同時に起こったものだ」

 ラウダは肺胞出血を患って以来、免疫抑制療法を受けている。この治療法は肺の状況に重要な改善をもたらすものだ。

 現在69歳のラウダだが、血液中の免疫細胞が肺に流入し、肺組織を攻撃してしまっていたのだという。

「最終的には、これは肺組織の破壊と喪失に繋がり、患者はもはや十分な酸素の肺に取り入れることができなくなる」とイドツコ医師は続け、死亡率も高くなることを説明した。

 さらなる薬物療法の選択肢には限界があり、ラウダはICU(集中治療室)で人工呼吸を受けなければならなかった。

 心臓専門医のゴットフリード・ハインツ医師は、「残念ながら、彼は重要な酸素供給のためにICUで10日間過ごさなければならなかった。その後、治療は段階的に増大している」と話した。

「我々はECMO(模型人工肺)という機械的な肺に取り替える必要があった」

 この時点で、彼らはラウダの命はあとわずか数日だったと明かした。その結果、彼は移植リストに載せられ、肺の移植に必要なスコアが割り当てられた。ラウダのスコアは高く、客観的基準に基づいて緊急性の割合が計算された。

 先週の木曜日、胸部外科のコンラッド・ホッツェネッカー医師はヴァルター・クレペトコ医師と彼のチームと共にラウダの肺移植手術を行った。ホッツェネッカー医師は、次のように話した。

「我々は、今後数日以内に彼が適切な器官を移植してもらえるだろうと仮定していた」

「平均的な待ち時間は、このケースの場合だと5日間だ」

ラウダ、仕事復帰も可能?

 ラウダは新しいドナーの肺に適合しており、彼の医師らも、移植された肺とラウダの体がよく馴染んでいると話した。

 ホッツェネッカー医師によれば、「この肺には優れたすばらしい機能がある。それゆえ我々は、手術室でECMOを取り外すことができた」という。

 また心臓学のクリスチャン・ヘングステンベルグ医師は、次のように述べた。

「患者(ラウダ)は見事に危機を乗り切り、24時間後に抜管を行った。つまり、肺の中のチューブを取り除き、患者が自発呼吸をしているということだ」

「これは我々や治癒過程全体としても、極めて重要なことだ。彼には完全に意識があり、全てが適切に機能しているということを我々は確認できている。あらゆることが完全に順序正しく動いている。非常に満足のいく進展だ」

 医師らによれば、通常ならば患者は術後2、3週間で病院を離れるという。しかし今回のラウダの場合は、ICUでの状況によりもう少し長くかかるとのことだ。

 ラウダは集中的な理学療法や呼吸器官に関するプログラムを受けており、多数の薬を服用している。回復については、申し分ない予後診断が出ている。

「1年後の生存率は90%を超えている。5年後でも75%前後だ」と胸部外科学のペーター・ヤークシュ医師は話した。またクレペトコ医師によれば、仕事に戻るためのラウダの能力は落ちないだろうということだ。

「将来的な活動がこれまでの活動と大きく変わることはないはずだ。もし全てが問題なく進めば、の話ではあるが」

「こういった状況から、我々は彼が通常の生活に戻ることができるだろうと予想している。ゴールにたどり着くことができるかどうかは、時間が経てばわかるだろう」

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シリーズ F1
ドライバー Niki Lauda
執筆者 Charles Bradley
記事タイプ 速報ニュース