ハイパーソフトは使用しない方が吉? チームはタイヤに不安抱える
今週末より導入されたハイパーソフトタイヤについて、複数のチームがレースではこれを使用しない戦略を考えているという。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
モナコGPで初めて投入されたハイパーソフトタイヤ。いくつかのチームは、タイヤの寿命などについて不安を抱えており、レースではハイパーソフトの使用を避ける可能性を検討している。
今年から導入されたハイパーソフトは、木曜日のフリー走行では1周につき1秒速いとみられていたが、タイヤの寿命には疑問が残っている。数人のドライバーがその短さに苦戦しており、より硬いタイヤを使用することを良い選択肢として考え始めているようだ。
ハイパーソフトを使用しなければ、レースではスタートから長い距離を走ることが可能であり、タイヤ交換の前にセーフティカーの導入を待つことも可能だろう。つまりハイパーソフトを全く使用せず、ウルトラソフトタイヤとスーパーソフトタイヤの組み合わせでレースを走る可能性があるということだ。
予選Q2を突破したドライバーは、その際に使用したタイヤで決勝レースをスタートしなければならない。しかしウルトラソフトとハイパーソフトのデルタ(ラップタイム差)が1秒あることを考えると、トップチームにとってもウルトラソフトでQ2を突破するというのは困難かもしれない。
フォースインディアのテクニカルディレクターであるアンディ・グリーンは、「ハイパーソフトは非常にアグレッシブなようだ」と話した。
「このタイヤは予選にも適切だし、ショーのためにも申し分ないだろうと思う」
「(決勝レースでは)全員が1ストップ作戦を採用するだろう。トップチームの幾つかはハイパーソフトではないタイヤで予選を走る可能性もあるはずだ。おそらく彼らにはそれができるマージンがある。ここではリスキーな戦略だが」
「しかしもし彼らがウルトラソフトで予選を走ることができれば、それは大きなアドバンテージになる」
またルノーのテクニカルディレクターを務めるニック・チェスターは、レースではハイパーソフトをマネージメントすることは難しいだろうと認めており、「ハイパーソフトはウルトラソフトよりも”2ステップ”柔らかいようだ」と話した。
「ハイパーソフトはトリッキーだ。なぜなら、フロントタイヤにはグレイニングが起きる可能性がある。とりわけマシンがアンダーステアになった時にそうなるんだ」
「同時に、リヤタイヤにトラクションをかけるとタイヤが機能しなくなる。適切なスティントを走るためには少しマネージメントが必要だ」
一方ピレリ側は、Q2でウルトラソフトを使用するというのはどのチームにとっても無理難題であるが、戦略として除外されるものではないと考えている。
木曜日のフリー走行後、ピレリF1の代表であるマリオ・イゾラは「非常にデグラデーションが高かった」と話した。
「ハイパーソフトは非常に柔らかいコンパウンドなので、驚くことではない」
「全てのチームが左フロントタイヤのグレイニングを減らそうと、マシンのセットアップ作業を行っていた。ここではトラックの状況が変化していくことも大きな役割を果たす。より路面にラバーが乗れば、土曜日と日曜日にはグレイニングが減ると我々は予想している」
「ハイパーソフトとウルトラソフトの大きなデルタを考えても、誰かが(ハイパーソフトタイヤの)グレイニングに苦労し、その解決策を見つけられないという場合を除いて、ウルトラソフトで予選を走るとは考えていない」
「誰かがQ2をウルトラソフトで走り、ウルトラソフトとスーパーソフトでレースを走るという状況を、想像することはできる」
「私の意見では、それを実行するのは非常に難しいと思う。土曜日の午前に行われるFP3でどうなるのかを見てみよう。彼らはトラックの変化を評価し、予選の準備をしようと努めるはずだ」
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