フェラーリの強さ示す真のベンチマークはライコネン? その理由とは

ベッテルがすでに2勝を挙げている今季のフェラーリ。しかしその強さの真のベンチマークとなっているのは、ライコネンの方だ。

 2018シーズン最初の3戦で、セバスチャン・ベッテルがすでに2勝を挙げ、好調なスタートを切ったフェラーリ。しかし、フェラーリの強さを示す真のベンチマークとなっているのは、彼のチームメイトであるキミ・ライコネンの方だと言える。

 より若く、より好調を保っていた4度のワールドチャンピオンであるベッテルが、メルセデスが苦しんでいる時に良い結果を出すのは、驚くようなことではないだろう。

 しかし、ライコネンの『急浮上』は違う。これまで彼は、ベッテルから離されたナンバー2のドライバーだったが、今季の序盤は一貫してトップを争っており、彼の近年の戦いぶりとは全く異なっている。

 これまでの3戦、彼は週末の初めから競争力を持っており、あらゆる指標でもベッテルに近づいている。

 予選Q3でのベッテルとライコネンの差は、3レースを平均しわずか0.073秒ライコネンが遅れている。しかし昨年の同じ3レースでは、その差が0.391秒。昨シーズン全体では0.276秒もライコネンが離されていたのだ。

 昨年と今年の最速タイムを比較しパーセントで表してみると、さらにその傾向が浮き彫りになる。ライコネンは今年、昨年と比べて100.81%(3レースの平均)のタイムアップを果たしている。対して、ベッテルは100.355%。メルセデスのルイス・ハミルトンは100.01%だ。

 ライコネンの好調ぶりは、マシンの追従性の良さがその触媒となっているようだ。彼はしばしば、自身のスタイルに合っていないマシンに適応できないことがある。

 フェラーリの2018年用マシンであるSF71Hを、ライコネンはすぐに気に入ったようだ。このマシンは、前年型SF70Hの安定性を維持しており、様々なコンディションでフロントが安定し、ドライバーに良い感触を与えている。

 また2017シーズンの序盤、ライコネンは明らかにベッテルほど早くマシンを乗りこなすことができていなかったが、彼はシーズンを通して調子を上げていった。このことから、フェラーリの改善が進めば、ライコネンが今年さらに速くなるかもしれないということを示している。

 彼にはコントロールできないような要素、つまりオーストラリアではセーフティカー、バーレーンではピットストップ作業ミス、中国ではフェラーリのひどい戦略によって、彼はその速さに見合った結果を残せていない。しかし彼にも欠けているものはある。

 バーレーンと中国では、ライコネンはフリー走行から速さを発揮し、ベッテルを上回っていた。しかしそれを予選につなげることはできず、ベッテルに先行を許したのだ。少なくとも、それについては彼に責任があるはずだ。

 そして中国では良いスタートを切ったにもかかわらず、ポールポジションのベッテルとのバトルに、間違いなく怖気付いてしまった。その結果、彼はポジションを落とすことになった。

 ライコネンが信頼できるドライバーであるということにはほとんど疑いがない。しかし彼がフェラーリに復帰して以来続いている未勝利期間を終わらせるためには、新たに手にした快適なマシンで、さらに洗練された走りを見せる必要があるのだ。

 しかしこのSF71Hによって、すでにライコネンはチーム、そしてF1全体にとってこれまでよりも大きな存在となっている。

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この記事について
シリーズ F1
ドライバー キミ ライコネン
チーム フェラーリ
記事タイプ 分析