ルノー、カナダGPでPUアップグレード準備も、レッドブルには非推奨?
ルノーは、カナダGPでPUのアップグレードを導入する準備が整っているものの、特にレッドブルにとってはその導入が最善だとは限らないと語った。















ルノーは、カナダGPでパワーユニット(PU)のアップグレードを投入する準備が整っていると認めたが、すべてのチームがそれをカナダで導入するべきだとは思っておらず、特にレッドブルにとっては最善だとは限らないと示唆した。
カナダGPの舞台となるジル・ビルヌーブ・サーキットは、ストレートをヘアピンやシケインで繋いだような典型的なストップ&ゴーのサーキットであり、優れたトラクションとパワーが要求される。
そのため、ここでPUをアップデートするのは理に適った選択と言える。しかし、最終的にアップデートを導入するかどうかは、各ドライバーが使用しているPUのエレメント数が影響してくるだろう。
今季、ドライバーはそれぞれICE(内燃エンジン)、MGU-H、TC(ターボチャージャー)は3基、MGU-Kやエナジーストア(ES)、コントロールエレクトロニクス(CE)は2基までしか使用できず、これを超えるとペナルティの対象となる。
ルノーPUユーザーの中では、モナコGPのウイナーであるダニエル・リカルドが早くもグリッドペナルティの危機を迎えている。彼は第2戦バーレーンGPをトラブルで早々にリタイア、第3戦中国GPでPUを交換しており、全エレメントが2基目となっている。
そしてモナコでは、MGU-Kのトラブルによりパワーを大きく失いながらも見事優勝。しかしカナダGPで3基目のMGU-Kを使用する場合は、10グリッド降格ペナルティを受ける。さらにES、CEのどちらかを同時に交換することになれば、最後尾スタートとなる。
なお、リカルドのチームメイトであるマックス・フェルスタッペンは、モナコGP初日に2基目のTCとMGU-Kを投入。しかしFP3でクラッシュを喫し、その後に3基目のMGU-Kを投入したため、すでに10グリッド降格ペナルティを受けている。ただ彼は予選出走に間に合わず最後尾スタートだったため、ペナルティの影響はなかった。
ルノーのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは「我々は新しいスペックのエンジンを用意している」と、motorsport.comに語った。
「ただ、導入するかどうかはまだ決めていない。なぜなら、PUのエレメント数や走行距離が各車で異なっているからだ。そのため、いつどこで新しいスペック(のPU)を導入するか、正確なところは分からない」
「我々はパーツ供給の観点からエンジンを6基、利用できる状態にしておくことになるだろう」
「あくまでその計画だが、実際に6台のマシンすべてにそれを導入するのがベストだとは思っていない。特にレッドブルにとってはそうだろう。我々はパートナーシップを結んでいるチームと協力し、シーズン全体の結果がベストなモノになるようにしていきたい」
「パワーの向上はわずかだ。だが、我々はそれで終わりだとは思っていない。ICEからはもっとパワーを引き出せると予想している。それは今年1年を通して、そしておそらく来年も集中して取り組んでいくべきエリアだ」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、どんなPUのアップグレードでも歓迎すると述べた。
「我々は信頼性の高いMGU-Kを望んでいる」
「モントリオールでは、小さなアップグレードでも歓迎だ。現時点では、あらゆるモノが必要なんだ。だから我々にとってはとても重要になる」
レッドブルは、来季以降に使用するパワーユニットについて契約を結んでおらず、ルノーとの契約延長か、ホンダと新たな契約を交わすのかを判断している状態だ。
カナダではホンダもアップグレードを持ち込むと見られており、レッドブルは姉妹チームであるトロロッソを通じて、2社のアップグレードされたPUを比較するチャンスを得ることになる。そのため、レッドブルはアップグレードされたエレメントを導入する可能性が高いと言えるだろう。
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | レッドブル・ホンダ |
執筆者 | Adam Cooper |