佐藤琢磨が語る”トロロッソ・ホンダ”「テストした時を思い出す」
2008年にトロロッソのマシンをテストした経験を持つ佐藤琢磨。その佐藤に、来季誕生するトロロッソ・ホンダについて訊いた。
2015年にF1に復帰したホンダ。当初からパートナーはマクラーレンであり、1980年代後半から1990年代前半の”マクラーレン・ホンダ黄金期”を思い起こさせるパートナーシップに、多くの人々が大きな期待を寄せた。しかし、なかなか思うような結果を残すことができず、結局新生”マクラーレン・ホンダ”は3年でピリオド。今季限りで関係を解消することとなった。
マクラーレンと離別後のホンダは、新たにトロロッソとの契約を締結。来季からはトロロッソ・ホンダとして再始動することになる。
このトロロッソのマシンには、かつて日本人ドライバーが乗ったことがある。佐藤琢磨である。2008年のことだ。
当時の佐藤は、スペインGP限りで所属チームであったスーパーアグリがF1から撤退。シートを失っていた。そのため、F1復帰をかけ、トロロッソのマシンをテストドライブしたのだ。結局、チームはレッドブルの育成ドライバーであったセバスチャン・ブエミとセバスチャン・ブルデーを2009年のレギュラードライバーとして選んだため、佐藤がトロロッソのマシンでレースを戦うことはなかった。
そのトロロッソが、ホンダと組む。これについて佐藤に訊くと、次のように答えた。
「僕、戻ろうか?」
そう満面の笑みで語った佐藤。当時、テストをした時のことを踏まえ、次のように語った。
「(チーム代表の)フランツ・トストが日本贔屓なところもありますし(注釈:トストはラルフ・シューマッハーのマネージャーを務めていた経験があり、シューマッハーがフォーミュラ・ニッポンに参戦した際には来日していた)、チームを作っていく、引っ張っていく、チーム代表としての強さも持っています」
「あの時(2008年)にチャンスをくれて、3回もテストさせてもらいました。そしてチームの全員も含め、『2009年はトロロッソで走るぞ!』という感じだったんです。でも、いろんな事情があって、それは叶わなかった」
そう佐藤は語る。
「あの時はフェラーリエンジンでしたけど、あのクルマにホンダエンジンが乗ると思うとね、僕もワクワクしますよ。紺色のスーツを着て、トロロッソでテストした時を思い出すと、僕も嬉しい」
「もちろん、マクラーレン・ホンダという素晴らしいコンビネーションもあります。でも、新しい歴史の1ページとして、トロロッソ・ホンダが大活躍する日が来るのが楽しみですね」
佐藤琢磨は、そう期待を込めて語る。
すでに協業が始まっているというトロロッソとホンダ。佐藤琢磨の期待に応える活躍をするのは、いつの日のことなのだろうか?
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