アルファロメオ、発表会仕様の”鋸状”フロアは、実戦投入するつもりのない”フェイク”だった。チーム関係者が明かす
アルファロメオが発表会でC43に取り付けていた、鋸状の端を持つフロア。しかしチームは、このフロアを実戦投入するつもりはなかったようだ。
写真:: Alfa Romeo
アルファロメオF1の2023年マシンC43に発表会時に取り付けられていた鋸状のフロアは、完全なるフェイクだったことが、関係者の証言により分かった。
アルファロメオは、2023年型のF1マシンC43を、2月7日にスイスのチューリッヒで発表した。今年用マシンの実車を発表したのは、このアルファロメオが最初だった。
この発表会と同時にアルファロメオが公開したC43のレンダリング画像を見ると、フロアの端に鋸状のフィンが無数に取り付けられた、ある意味異様な外見をしていた。
2月10日、このアルファロメオC43は、スペインのカタルニア・サーキットでシェイクダウンテストを行なった。しかしそのマシンに取り付けられていたフロアは、発表会の時とは大きく異なり、常識的な形状のモノだった。
このことについて、アルファロメオは今年後半にこの鋸状のフロアを投入するのではないか、もしくは鋸状のフロアは開発途中のモノではないかといったものなど、様々な推測がなされた。中には、重要な部分を見せないために、発表会でのデザインをいじったのではないかという見立てもあった。
そしてそのままの形でシーズンが開幕。アルファロメオの関係者は、発表会時のフロアは、ライバルチームの注意を逸らすための完全なフェイクだったということを認めた。
アルファロメオの鋸状のフロア端が注目を集めたのは、その極端な姿にもかかわらず、今季のレギュレーションに完全に合致していたように見えたからだ。垂直もフラップも、それに取り付けられた左右9枚ずつのウイングレットも、合法であるように見えた。
Alfa Romeo C43 floor channel
Photo by: Alfa Romeo
それ以外にも興味深い部分があった。
ひとつは、サイドポンツーンの下部が抉られ、フロア上に気流の流路がしっかりと設けられていたように見えた部分だ。上写真矢印の部分を通った気流はリヤタイヤの内側を通り、ディフューザーの上に抜けていくように見える。
またフラップがフロア端の高さよりも上に取り付けられていることにも注目だ。この形を使うと、気流がフラップの外側に循環する経路を確保することができる。
合法であり、しかも注目すべきソリューションが複数存在する鋸状のフロア。しかしアルファロメオが、このフロアをレースで使うことを真剣に考えたことは、残念ながら無かったようだ。
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