アロンソへのペナルティ撤回! キャリア100回目の表彰台を改めて獲得へ。アストンマーチンの抗議が成功
F1第2戦サウジアラビアGPの決勝で、ペナルティを受け表彰台を失っていたフェルナンド・アロンソだが、チーム側の抗議が成功。キャリア100回目の表彰台を取り戻した。
アストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、F1サウジアラビアGPの表彰式の後に10秒のタイム加算ペナルティを科され、4位に降着していた。しかし、チーム側の抗議が認められたため、3位表彰台へ返り咲くことになった。
予選3番手タイムのアロンソは、フェラーリのシャルル・ルクレールがパワーユニット交換によるペナルティを受けて10グリッド降格となったため、フロントロウ2番グリッドからサウジアラビアGPの決勝レースをスタートすることになった。
しかしアロンソは、グリッドボックスの左にタイヤひとつ分はみ出した位置からスタートしてしまったため、5秒のタイム加算ペナルティを科された。
チームはこのペナルティを、ピットストップ時に消化した。しかしこの時、ピットボックスに停止してから5秒が経過する前に、アストンマーチンのメカニックのひとりが、マシンに触ってしまったとFIAのスチュワードは結論づけた。
このため10秒のタイム加算ペナルティがさらに科されることとなり、この結果アロンソは4位に降格。3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが繰り上がっていた。
しかしチームはこの裁定に納得することなく、FIAに抗議。当該の裁定理由に注目が集まっていたが、スポーティングレギュレーションには『メカニックがジャッキに触ってはいけない』と明記されているわけではない、という点を彼らは指摘している。
Fernando Alonso, Aston Martin F1 Team, 3rd position, on the podium
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
当該のスポーティングレギュレーション第54条4.c項には次のように記されている。
『上記第54条3項a)または第54条3項b)に従ってペナルティを受け車両がピットレーンに止まっている間は、車両がペナルティ時間の静止をし終えるまでは車両に作業を行うことは禁止される』
さらにアストンマーチンのマイク・クラック代表はチームがルールにしたがっており、5秒間のペナルティの際にも、マシンの作業は行なっていなかったと信じていると語った。
クラック代表はスポーティングディレクターのアンディ・ステーブンソンは、この問題についてレーススチュワードと話し合っていた事を認め、レギュレーションの文言に”あいまいさ”があったと示唆した。
「議論があった」と、彼は語る。
「スポーティングレギュレーションには『車両に作業を行うことは禁止』と書いてあるため、様々なことが考えられる」
「タイムは明白で、5秒以上実際にあったと思う。我々もマージンをとっているからだ」
「ルールではマシンに作業を行なうことはできないとされており、我々の理解するところでは、作業は行なっていなかった。しかし今、この議論はジャッキがマシンに触れているかどうかといったものだと思う。それが現時点で明らかになっていることだ」
当初、FIAはマシンに触れることも、この作業してはならないという部分に反するとチーム側と合意があったという認識であり、ペナルティが科されていた。しかしアストンマーチンはチーム間でそういった合意は無いと主張し抗議。ジャッキが触れているにもかかわらずペナルティが科されていない事例などを提示した。
最終的にFIA側は抗議を認め、アロンソへのペナルティを撤回したことで、彼はキャリア100回目の表彰台を取り戻すことに成功した。FIAの声明は以下の通りだ。
「新しい証拠を精査した結果、ジャッキがクルマに触れることは、クルマへの作業に相当するということに当事者が同意したかどうかを判断するために信頼できる明らかな合意はなかったと結論付けた」
「そのような状況の結果、14号車にペナルティを科すという当初の決定を覆す必要があると考え、そのようにした」
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