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アルファタウリ・ホンダ、AT02のシェイクダウンで新ノーズ公開。空力的な狙いはどこに?

アルファタウリは、イモラでAT02をシェイクダウンし、2021年シーズンのF1で使用する新しいノーズを公開した。

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT02

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT02

Davide Cavazza

 2月19日、2021年マシンの『AT02』を発表したアルファタウリ。彼らは各チームにふたつ割り当てられている開発トークンを使ってノーズ部分に手を加えたと明らかにしていた。

 しかし19日に発表されたAT02はほぼ2020年仕様のノーズであり、新たな仕様のノーズが後日公開されることを示唆していた。新車の最初の画像を公開する際にマシンの一部を旧仕様のままにするという手法は、近年珍しいものではない。

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 そしてアルファタウリはイタリアのイモラ・サーキットで行なったAT02のシェイクダウンの際に、2021年仕様のノーズを初公開した。それは以前のものと比べるとよりシンプルな形になっている。

 2020年仕様のノーズは、まるで先端部分に親指の先がくっ付いたかのようなデザインとなっていたが、2021年使用のノーズは球根のようなコンパクトな形状となっている。メルセデスやマクラーレン、ルノーらは2020年マシンで、ノーズをマウントするピラーの位置をフロントウイングのかなり内側にしており、アルファタウリもそれを踏襲して昨年よりはピラーの位置を内側に変えてきたが、ライバルほど極端ではない。

AlphaTauri  AT02 nose detail

AlphaTauri AT02 nose detail

Photo by: Davide Cavazza

 ノーズ全体の形状も、最近のトレンドを踏まえて細くなっている。したがって義務付けられているクラッシュテストをクリアすることが課題となってはくるが、その分ノーズの両側面にある“ケープ”のデザインの幅は広がる。このケープはマシンの前方から流れてくる空気をマシン中枢部に効率的に導くのに役立つため、近年では非常に重要なツールとなっている。

「我々はふたつのトークンを新しいノーズに使うことを選択し、フロントサスペンションも再設計した」

 そう語るのは、アルファタウリのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントンだ。

「その結果、我々はレッドブル・テクノロジーが供給するステアリングコンポーネントの一部をアップデートすることとした。これはテクニカルレギュレーションで許可されている」

「空力の数値は規則変更の影響を受けているが、我々は失われたパフォーマンスを取り返すために懸命に努力をしてきた。そしてマシンの空力作動領域も改善してきた」

「我々のマシンはどのくらい速くなるのか? それに関しては、まだ正確な数値を出したいとは思っていない」

「全体的にあらゆることを考慮すると、パフォーマンスレベルは昨年中盤と同じくらいになると思う」

 また、AT02には新しいフロントウイングが採用されている。昨年よりもフラップ部分がなだらかな曲線を描いており、よりスプーン形状に近くなっている。

 メインプレーンに目を向けると、ニュートラルセクション(中央の平らになっている部分)の両端に大きな盛り上がりがある。そしてその近くには先端が複数設けられており、ここで空気の渦を作り出しているものと思われる。この渦は“Y250ボーテックス”と呼ばれ、ニュートラルセクションを通って流れていく気流を、フロントウイングなどで乱れた気流の影響を受けないように”守る”ために用いられる。

 なおフロントのサスペンションアームに関しては、プッシュロッドがアップライトの上部に取り付けられる形に変更。そこにはステアリングロッドも独立して取り付けられている。AT02発表時に公開されたスタジオ撮影の写真とは全く異なるレイアウトだ。これは昨年レッドブルが採用していた形で、車高の挙動を改善することが目的のはずだ。

 

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