アルピーヌF1、完全新設計のPUに好印象「まだフルパワーにしていないが、文句は全くない」

　2022年シーズンを前に、ルノーはアルピーヌF1チームが使うパワーユニット（PU）のデザインを全面的に見直した。この新PUは、メルセデスやホンダ（レッドブル・パワートレインズ）などと同じ、エンジン（ICE）の前後にターボチャージャーとMGU-Hを分割して搭載する方式を採用しているという。

　アルピーヌは新PUのパワー面だけに期待しているわけではない。パッケージングの改善により、空力や重心位置などの面でメリットが得られると考えている。

　新PUのポテンシャルや、アルピーヌの新車『A522』が持つ真の速さは、開幕戦バーレーンGPの予選までは分からない。しかし、バルセロナで行なわれた最初のプレシーズンテストでは、チームの第一印象は良好だったようだ。

　アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パーメインによると、チームはプレシーズンテストで実験的に、いくつか異なるエンジンモードを試していたという。そして、新PUがトラブルを抱えることなく、期待通りの働きを見せたことは明るい兆しだと語った。

　motorsport.comの取材に対し、パーメインは新PUの印象について「フルパワーで走らせていたわけではないんだ」と語った。

「予選やレースモードで使う、”シングルICEモード”と呼ばれるモードではまだ1周も走っていないと思う。それに近いことはやったが、フルには回していない」

「正直なところ、PUについては何も話していないんだ」

「大きく変わっている。これまでヴィリー（ルノーのPU開発拠点）が作ってきたものとは全く違う。より複雑だけど、見た目は素晴らしいし、すっきりしている。でもクルマに載せたら、思い通りになるんだ」

「ドライバーたちはドライバビリティが少し悪い、サージやターボラグが少しあるといった普通のコメントをしていた。だがセッティングやマッピングをいじったら、それが解消されたんだ」

　今年からのF1は、より持続可能な燃料に移行する。バイオエタノールを10％含む”E10燃料”を使用する必要があるため、昨年とのパワーの比較は非常に難しくなっている。

　しかし、ドライバーたちが問題を指摘しないということは、チームにとって励みになるとパーメインは言う。

「（PUについて）話題にもなっていない。それは素晴らしいことだ」

「燃料が違うし、パワー差が大きいから、昨年との比較について話すのは非常に難しいと思う」

「でも、彼ら（ドライバー）が全く文句を言っていないのは確かだ。我々はとても満足しているんだ」