アルピーヌF1、最遅の”衝撃”が体制刷新の引き金に「変革の必要性を確認できた」
アルピーヌのブルーノ・ファミン代表は、マシンが最も遅いという事実が、チームの体制刷新を正しいことだと確信させたと語った。
マシンのコンセプト変更を行ない、今シーズンのF1に臨んだアルピーヌだが、大苦戦を強いられている。しかしチーム代表のブルーノ・ファミンは、この苦戦がチームの体制刷新が正しいことだと確信する後押しになったと考えている。
アルピーヌはこれまでのコンセプトではパフォーマンス向上に限界があると感じ、マシンのコンセプトを一新することを決断。しかしクラッシュテスト合格に一度失敗したこともあって、チームはシーズン序盤の苦戦を覚悟していた。
それでもファミン代表は、エステバン・オコンが17位、ピエール・ガスリーが18位となった開幕戦バーレーンGPを”ショックだった”と認めている。
さらに開幕戦に先立ち、テクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力主任のディルク・デ・ビアールの幹部ふたりがチームを離脱。これを受けて首脳陣は技術陣の体制を刷新することを決意した。
そしてアルピーヌは、空力、エンジニアリング、パフォーマンス部門にそれぞれテクニカルディレクターを置くマクラーレンスタイルの3本柱アプローチを導入している。
Bruno Famin, Team Principal, Alpine F1 Team
Photo by: Motorsport Images
「シーズン開幕は厳しいものになると予想していたが、ショックだった。それは分かっていたことだし、マシンの発表時にも言っていた」
そうファミン代表は語った。
「でも、予選で最後尾に並んだのは正直言ってショックだった。そして、チームにおける変革の必要性を確認することができた」
「昨シーズンの終わりまでにトラックサイドでやってきたことを、ファクトリーで発揮したいんだ。つまり考え方を変え、創造性を解き放ち、3人のテクニカルディレクターを置くことで、組織はより水平になり、縦割りではなくなる」
「より活動的に、より機敏に。そしてモットーは人材を育成することだ」
ファミン代表は、今季マシンA524にパフォーマンスをもたらす上でも、この新体制はメリットになると考えている。
「マシンは全く新しいモノであり、開発はこれからだ」
「もちろん、何が問題なのかを理解することが解決の鍵だ。何が問題なのか、かなり明確なアイデアを持っているし、本当に懸命に取り組んでいる」
「このクルマにはポテンシャルがある。改善を進めているのは確かだ。でも、マシンの開発方法やレースの仕方も変える必要がある」
「我々のアプローチ、すべてに対する全般的なアプローチを変える必要があるんだ」
第2戦サウジアラビアGPでもアルピーヌの苦戦は続いた。ガスリーはギヤボックスのトラブルに見舞われ、1周しかできずにリタイア。チームメイトのオコンは、ハースのケビン・マグヌッセンが後続のマシンを抑え込んだ影響もあり、13位に終わった。
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