アルピーヌ代表、FIAのポーパシング対策を歓迎。ただし「特定のF1チームが得をしない限り」
アルピーヌはFIAが進めるポーパシング&バウンシング対策を歓迎しているものの、それはチーム間に不平等がでないことが条件だとしている。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
FIAは、安全上の理由から過度なポーパシング&バウンシングを取り締まるべくデータ収集をカナダGPで開始。この動きには賛否両論あるが、アルピーヌのオットマー・サフナウアー代表はこの動きを歓迎している。ただ、チーム間に不平等が出ることなく特定のチームが対策を悪用しないことが条件だと釘を刺している。
FIAはデータから許容レベルを算出し、垂直加速度を計るGセンサーやスキッドブロックの摩耗具合で規制を行なうと見られているが、FIAが定義した許容レベルを超えたマシンをどう規制していくかについては疑問の余地が残っている。
この問題については、イギリスGPの前に行なわれるテクニカルディレクターのミーティングで協議される予定になっている。
アルピーヌは比較的ポーパシングやバウンシングには悩まされていないが、グリッド全体でその問題が顕著に表れたアゼルバイジャンGPでは、アルピーヌのマシンにも発生していたとドライバーのエステバン・オコンとフェルナンド・アロンソは認めている。
ただそれは特例的なモノだったようで、同じく非常設サーキットでかつ長いストレートを持つカナダGPでは、大きな問題とはならなかった。
「安全上の問題に対処するかどうかは、FIA次第だ」とサフナウアーはカナダGPの決勝レース終了後に語った。
「彼らがそれについて調査していることは確かだ。しかしそこにも、従うべきプロセスというモノがある。彼らはそれに従うべきなのだ」
「ここ(カナダGP)では、ポーパシングはあまり見られなかった。我々はドライバーに10点満点評価を聞いてみたのだ。10点が最悪でポーパシングを看過できない状態、0点か1点が全く影響がない状態だ」
「それで、例えば今回は2点だった。それがドライバーたちの意見だ。10点満点中の2点だから、ここでは問題なかったと思う。でも他のサーキットでどうなるかは分からない」
Fernando Alonso, Alpine A522
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
またサフナウアーは、FIAの介入によって特をするチームが出てこない限り、安全上の措置を受け入れると語った。
「FIAがそれを安全上の問題だと判断し、戦いの場が均等に保たれ、かつ特定のチームが競争力を得るための交渉戦術として悪用しない限りは、私はそれ(FIAの介入)については賛成だ」
「安全上のことについて反対することは決して無い。ただ私が述べたように、今回のポーパシングは10点満点中2点……ほとんど無いに等しいのだ」
「これが安全上の問題であれば、技術諮問委員会(TAC)で審議にかけられ、世界モータースポーツ評議会に提案されて投票が行なわれる。しかしポーパシングに関して何が行なわれているかについては、私は分からない。TACで議論されることを期待している」
そしてサフナウアーは、カナダGPでは過度なポーパシングを抑制するためにマシンのパフォーマンスを多少犠牲にしていたことを強調した。
「我々としても、それは問題なのだ。しかし我々は車高を上げて、ダウンフォースを失った。それでも常識的な範囲に留まっている」とサフナウアーは続ける。
「私としては、どのチームもそうできると考えている。他チームがどうしているかは知らない。しかしダウンフォースを諦めたくないから車高を落として、ポーパシングを引き起こしているんだろう。だから、とても簡単なことなのだ」
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