ハースVSマゼピン後援ウラルカリ、20億円規模のF1スポンサー契約めぐる法廷闘争がついに終了……? どちらも勝訴を主張

ハースとウラルカリは、スポンサー契約と補償請求をめぐって法廷闘争を繰り広げていたが、その争いに終止符が打たれた……のかもしれない。

Mick Schumacher, Haas VF-22

 ロシアによる2022年のウクライナ侵攻を受け、ウラルカリとのスポンサー契約を解消したハースF1。このスポンサー契約と補償請求をめぐっては、スイスの仲裁裁判所が調停を行なってきたが、ようやく法廷闘争が決着を迎えた。ただ、両者が勝訴を主張するという異例の状況だ。

 ハースのドライバーであったニキータ・マゼピンの父ドミトリーが経営するロシア籍の肥料会社であるウラルカリ。マゼピンのF1デビューに併せて、2021年からハースのタイトルスポンサーを務め、マシンもロシア国旗を彷彿とさせる青、赤、白のカラーリングだった。

 しかし2022年2月にロシア軍がウクライナへの侵攻を開始すると、ハースは即座にマゼピンとのドライバー契約、ウラルカリとのスポンサー契約を破棄した。

 それ以降、両者はスポンサー契約をめぐりトラブルに。ウラルカリは2022年シーズンのスポンサー料としてハースに払った1300万ドル(約20億7700万円)の払い戻しを求めていた。

 当時ウラルカリは「適用される法的手続きに従ってその利益を保護し、司法手続きと損害賠償請求を行なう権利を有している。そして2022年のF1シーズンのためにウラルカリが支払った巨額の資金の返済を求める」と主張していた。

 ウラルカリはハースに「2022年シーズンのスポンサー料の大半」を既に支払っており、チームが「シーズン開幕前にスポンサーシップ契約を解除したため、今シーズンのウラルカリに対する義務を履行していない」と説明した。

 その後、ハースはウラルカリの主張を全面拒否。問題は法廷に持ち込まれた。そして、現在は両者が勝訴を主張している。

 6月20日(木)、ウラルカリは声明で「裁判所はハースが契約違反をしていたと認定し、ウラルカリに賠償金を支払う義務を負わせた」として「裁判所はチームに対するチーム側の反訴を全て退けた」と主張した。

Nikita Mazepin, Haas F1 Team

Nikita Mazepin, Haas F1 Team

Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images

 そして6月23日(日)にハースは声明を発表し、次のように記した。

「仲裁裁判所は、ハースにはウラルカリとのスポンサー契約を終了させる“正当な理由”があったと裁定し、ウラルカリの契約違反の主張を否定した」

 声明にはこうもある。

「ハースはロシア軍がウクライナに侵攻した直後の2022年4月4日にウラルカリとの契約を解除した」

「仲裁裁判所は、ウラルカリとロシアとの関係を含め、当事者関係にまつわる全ての事実を照らし合わせ、ハースは『このような状況下でスポンサー契約を継続することはできない』と裁定し、『仲裁裁判所はハースにスポンサー契約を終了させる正当な理由があったと判断する』と結論づけた」

「仲裁裁判所が強調したのは、ウクライナ侵攻直後、他の複数のスポーツ団体がロシア企業との関係を断ち切ったため、『ハースがロシア名のスポンサーと関係を続ける最後の非ロシア系スポーツチームとなる危険性が急速に高まった』ということだ」

「従って、仲裁裁判所はハースが契約解除を通告した日に、スポンサーシップは事実上終了したと裁定し、ハースに対し、契約解除前の期間のスポンサー料の一部を保持し、残額をウラルカリに返金するよう命じた」

 ハースの発表に基づく判決では、ハースは2022年3月4日までのスポンサー料の一部を保持し、総額1300万ドルの残高をウラルカリに返金する一方、賠償金を支払う必要はないということになる。

 

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