ホンダF1の挑戦は2026年以降も続く? PU開発率いた浅木泰昭、勇退を前に「再参戦の可能性がゼロなら今までやっていない」
ホンダの第4期F1活動でパワーユニット開発を指揮してきた浅木泰昭は、今後の展開について「可能性がゼロであれば、私は最後まで残っていない」とホンダの正式F1復帰の可能性を示唆した。
2018年からホンダのF1パワーユニット(PU)開発を指揮してきた浅木泰昭は、4月末の定年退職を前に、ホンダ/ホンダ・レーシング(HRC)には"F1再参戦"の期待感を語った。
ホンダF1の”黄金期”である第2期F1活動を経験し、市販領域でも初代『オデッセイ』のエンジン開発や『N-BOX』で開発指揮を取るなど、手腕を奮ってきた浅木。F1の現場へはマクラーレンからトロロッソ(現アルファタウリ)へとパートナーが変わった2018年に戻り、F1用PU開発のラージプロジェクトリーダー(LPL)を務めた。
2015年のF1再参戦以降、長くもがき苦しんでいたホンダ。しかし浅木が戻った頃を転機に調子が上向き、2019年にレッドブルと共に復帰後初勝利を挙げると、ホンダとしての参戦最終年となった2021年にはマックス・フェルスタッペンがアイルトン・セナ以来30年ぶりのドライバーズタイトルをホンダに届けた。
ホンダは2021年末のF1撤退後も、HRCとしてレッドブル系2チームへのPU供給を継続。2022年にはレッドブル・レーシングがダブルタイトルを獲得し、彼らは2023年も開幕から他を寄せ付けない強さを見せつけている。
ホンダF1プロジェクトを成功に導いた浅木としては、F1という世界の舞台での成功体験を技術者に与えられたことが誇りだと振り返る。
「レースはホンダのDNAとは言います。負けたまま撤退することなく、一部のホンダの技術者に『ホンダにとってのレースはなんぞやという点』で結果を残して退職することができたと考えると、良かったなと思います」
Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, with the Honda Constructors trophy delegate in Parc Ferme
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
また、新PU規定が導入される2026年に向けて、HRCは製造者登録を完了。複数チームと交渉を行なったこともHRCの渡辺康治社長は認めるなど、正式復帰への道筋が開きつつあるようにも思える。
前述の通り、浅木は4月末をもってホンダを去ることとなっている。しかし彼は、今後もホンダがF1への関与を続けると考えており、「可能性がゼロ」であれば定年までF1に関わり続けることはなかったとしている。
ホンダ/HRCのF1復帰の可能性も含め、今後の展開に向けた期待を尋ねると、次のように浅木は語った。
「おそらく将来のF1復帰など、再参戦の可能性がゼロだと思ったら、私はもうやってないですよね」
「将来のためには早く技術者たちを開放してあげて、次のなにかをやった方が良いですから。もっと遡ると、可能性がないのであれば、技術者ひとりひとりにとっては、私がSakuraに行かなかった方が良い選択だったとも思います」
「そう考える私が最後まで残ったということは、そこを諦めずに開発しているということです」
「経営陣がこの技術を使いたくなるかどうかはまた別の話です。会社には色々な事情があります。私は当然そこまで約束できませんし、そういった立場にもありません」
「しかし、Sakuraの技術者として言えることは、可能性をずっと追求していくということです」
なお、浅木の今後の計画は未定。レースの現場へは「誰かがお金出すから来て欲しい言ってくれればですね。自分のお金を使って行くと高いですから(笑)」と笑いながらに話し、今後は釣りやゴルフを楽しむつもりだと語った。
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