アストンマーチン、前年比”マイナス118点”と大苦戦の1年。その原因は”空力規則変更”と代表恨み節
アストンマーチンF1は2021年シーズンの空力レギュレーションの変更が大きくチームに影響を及ぼしたと考えている。
Sebastian Vettel, Aston Martin AMR21 Mule
Mark Sutton / Motorsport Images
F1の2021年シーズン、アストンマーチンはコンストラクターズランキング7位となった。獲得ポイントは77点と、レーシングポイント時代の2020年シーズン(4位/195点)からは大きな落ち込みとなってしまった。
アストンマーチンは2021年シーズンの苦戦原因に関して、ダウンフォース削減を目指した空力規則の変更が、大きな影響をもたらしたと、改めて語っている。
F1はコロナ禍の影響もあり、コスト削減のため2020年のマシンの大部分を今シーズンに引き継いだ。ただ増大するタイヤへの負荷を軽減するため、ダウンフォースを最大10%減らすための変更を採り入れることが決まった。変更としてはリヤタイヤ前のフロアを斜めに切り欠くことでフロアの面積が減少。さらにディフューザーのストレーキのサイズを小さくし、ディフューザーの効果が抑えられることとなった。
こうした変更点は、特に低レーキ(前傾角の少ない)のマシンへの影響が大きく、メルセデスや、そのコンセプトに追随しているアストンマーチンが苦しめられることになった。
メルセデスは王者としての意地を見せチャンピオンを争ったが、アストンマーチンは前述のように2020年からは大きく獲得ポイントを落とす状況に。チームを率いるオットマー・サフナウアー代表はこうした苦戦が「驚きではなかった」と語っている。
「今年起こった事は、プレシーズンの段階で一方的な空力規則変更が、我々とメルセデスに大きな影響を与えるだろうと考えていた懸念を裏付けるモノだった」
サフナウアー代表はそう語る。
「なぜなら中団チームの争いはとてもタイトで、一度ラップタイムをコンマ7〜9秒失えば、3番手のクルマが7〜8番手のクルマにポジションを落としてしまうんだ」
「メルセデスはその空力哲学から失った部分があったが、常にポールポジションを争い、チャンピオンシップを競っていた」
「ひるがえって我々は、思うにもっともっと影響が大きかった。そして2022年のレギュレーションは全く異なるモノになることも鑑みて、我々は早期に2022年に向けて切り替え、2021年はそのままで行こうと決めたのだ」
サフナウアー代表は、アストンマーチンとしてシーズン開始時のビハインドを補うための開発をいくらか行なっていくこと自体はできたものの、得られるメリットが僅かであることや2022年マシンの開発へのリスクを考えれば、多くのリソースを注ぎ込むことは無意味だったと語っている。
「我々は2021年の初期に、空力面の損失を補うための大規模な開発プログラムを行なっていた」
「ただ、開発プランの切り替えないわけにはいかなかった。というのも、そうしなければ2021年が平凡な成績に終わり、2021年も最高のシーズンにはならないからだ。だから、我々は苦しくても開発を意識的に切り替えようとしたんだ」
またサフナウアー代表は改善のために持ち込んだアップデートによって、マシンのドラッグ(空気抵抗)が増え、いくつかの開催地では逆効果になってしまったとも語っている。
「多少ダウンフォースを取り戻そうとしていたが、我々のマシンは以前よりも少しドラッギーなマシンになってしまった」
「いくつかのサーキットでは、多少ドラッグが増えてもラップタイムに大きな差としては現れない。しかし他のサーキットでは、差が出てしまう。それが今シーズンの浮き沈みにも現れているんだ」
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