アストンマーチン、新型コロナの影響で資金難の可能性。でもF1計画は予定通り
アストンマーチンは、市販車部門が12ヵ月以内に資金不足に陥る可能性があるにもかかわらず、来年”ワークスチーム”としてF1に参戦する計画は順調であると主張する。

2021年シーズンから、現レーシングポイントの名称を変更する形で”ワークスチーム”としてF1に参戦する予定のアストンマーチン。しかし新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、市販車の販売数には大打撃が及び、資金不足の懸念があることが分かった。そんな状況にもかかわらず、F1参入計画は順調だという。
3月30日に発表された同社の声明では、以下のように述べられている。
「資本調達の収益を考慮に入れ、当社は本来の目論見書で述べられた、12ヵ月の用件を満たすための、十分な運転資本が我々のグループにはない」
「これは、当社が3月13日に最初の補足の目論見書を発表して以来、新型コロナウイルスの影響が増大し、それによって計り知れない不確実性が生み出されてきたためだ」
この発表に続き行なわれた株主総会の後、今後12ヵ月のために1億5000万ポンド(約200億円)の借入と、他の金融商品を活用する必要があるかもしれないことを示唆した。
またこの総会では、2億6200万ポンド(約350億円)の投資と新株発行による資金調達により、合計5億3600万ポンド(約715億円)を投入することも承認した。これには、レーシングポイントのオーナーであり、アストンマーチンの大株主ともなっているローレンス・ストロールが率いるYew Tree Consortiumによる第三者割当増資の1億7100万ポンド(約228億円)も含まれている。
ストロールは、今年のはじめにアストンマーチンの株式を取得し、4月20日には同社の会長に就任する予定だ。そして、新型コロナウイルスによって大きな影響を受けているものの、彼の取り組みは揺るぎないモノであると語る。
総会の後、ストロールはアストンマーチンのF1計画は、当初の予定通りだと語った。
「私とコンソーシアムの共同出資者は、アストンマーチン・ラゴンダの将来を情熱的に信じ続けている」
そうストロールは語る。
「これは、会社の財政面を支えるための2億6200万ポンドの追加投資によっても裏付けられている。これは、非常に困難な時期に私のコンソーシアムや他の株主によって行なわれた、5億3600万ポンドという非常に大きな資金調達になった」
「これは、このビジネスの長期的な将来に向けてリセットするための必要な安定性を与える。アストンマーチンが来季ワークスチームとしてF1に参加するための明確な計画がある。このプログラムを実現するために、経営陣と協力していくことを楽しみにしている」
新型コロナウイルスの影響は、アストンマーチンの株価にも影響を与えている。当初1株19ポンドだった同社の株価は、今では1.5ポンド未満まで落ち込んでいるのだ。
ゲイドンとセントアサンの施設はすでに操業を停止しており、スタッフが現在自宅作業となっている。それに伴い、アストンマーチンは全ての政府の援助を利用し、さらに状況を安定させるため、マーケティングの支出など、運用コストを段階的に見直している。
なお最近では、現在メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフが同チームを離脱し、アストンマーチンのCEOに就任するという噂がある。しかしウルフはこの噂を完全に否定している。
「この話は事実ではない」
そうウルフは語った。
「私はアストンマーチンのCEOにはならないよ」
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