アストンマーチンF1、ベッテル”2位失格再審”請求も……FIA『却下』。新証拠提示も主張は認められず
アストンマーチンF1は、F1ハンガリーGPでのセバスチャン・ベッテル失格裁定に上訴と再審請求手続きを進めていたが、FIAはヒアリングの結果、その請求を却下した。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
F1ハンガリーGPで2番手フィニッシュを果たしたアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル。しかしレース後、義務付けられている1リットルの燃料サンプルをマシンから採取できなかったとして、失格処分を受けることになった。
今シーズン2度目の表彰台を失うことになったアストンマーチンは、これに抗議。燃料サンプルは0.3リットルしか採取できていなかったが、彼らはデータ上ではマシンには1.44リットルの燃料が残っていたはずだと主張していた。
チームは燃料システムの故障によってこの状況が導かれたと考えており、FIAがアクセス可能なタンクに燃料が送られていなかったと見ていた。そして彼らは失格処分に対する正式な抗議を行なうに至った。
ただ9日(月)に行なわれたヒアリングの結果、FIAはアストンマーチンの再審請求を却下した。
再審請求が認められるためには、決定が下された当時に入手できなかった“重要かつ関連性のある”新たな証拠をアストンマーチンが提示する必要があった。
Sebastian Vettel, Aston Martin, 2nd position, arrives on the podium
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
ヒアリングにチームは100以上の燃料システム関連の分析データを提出し、ベッテルのマシンには燃料システムに不具合があったと示した。
その概要は、燃料タンクの圧力低下によってポンプが過剰に作動し、多くの燃料が排出されてしまったというもので、結果として0.3リットルのサンプルしか採取できなかったとしている。そしてFIAも、提出された燃料システムの故障を示すデータが、新たな証拠であることは認めていた。
しかしアストンマーチン側が調査を進めるに連れ、前述の燃料システムの故障によって、実際にレース後に残っていた燃料が1リットル未満だったと考えていることが明らかになった。その結果、FIAはこの新たな証拠が、一連の裁定を見直すことには関連が無いと判断し、再審請求を退けることになった。
ベッテルの失格裁定は、燃料サンプルを規定量摂取できなかったことに基づいていた。つまり、アストンマーチンが1リットル未満の燃料しか残っていなかったと認めることで、それを裏付けてしまっているのだ。
FIAの声明でもその点は指摘されており、彼らは次のように記している。
「(燃料サンプルの採取量が)1リットルの要件を満たしているか、そうでないかの評価において、なぜ1リットル以下となっていたのかは重要ではない」
「レース終了時に不足していた理由はいくかあるかもしれない。しかしいずれにせよ、マシンが常にレギュレーションに準拠していることを担保するのは競技者の責任であり、パフォーマンス上のアドバンテージを得られなかったという主張は弁明にはならない」
「“関連する”事実を認められるためには、アストンマーチンは1リットル以上の燃料が残存している事実を提示しなくてはならなかった。この要件を満たせなかった理由の弁明は、レギュレーション違反が発生したかどうかの判断とは関係がない」
再審請求を却下されたアストンマーチンだが、彼らはこれを不服としており、今後は上訴手続きを検討していくとしている。
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