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またF1が好きになる……熱田護カメラマンが“あの頃”と変わらず『伝えたいモノ』

2019年でF1取材500戦を突破した熱田護カメラマン。1992年から全戦取材を続ける彼が『撮り続けたいモノ』とは一体何なのか?

熱田護写真展:500GP フォーミュラ1の記憶

写真:: Motorsport.com / Japan

 1950年にスタートし、これまでに1000を超えるレースが行なわれてきたF1世界選手権。その約半分である500レース以上に赴き、撮影してきたのが、熱田護カメラマンだ。彼は1992年から全戦取材を続けており、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハー、そしてルイス・ハミルトンといったスターたちの姿を追い続けてきた。

 驚異的なスピードで駆け抜けるレーシングマシンを撮影し、“良い写真”を生み出すのは簡単なことではない。日々取材の現場で悪戦苦闘している筆者が写真撮影での“極意”を尋ねると、熱田カメラマンは次のように話してくれた。

「『何を撮りたいか』を自分の中で見つけることが一番重要だと思っています。それは今も昔も変わっていません」

「サーキットを走るバイクにしろ、フォーミュラカーにしろ、撮るだけなら何回か通えば誰でもできるようになります。でもその写真をどの角度で、どの光で、どういった背景で撮りたいのか、そういった“思い付き”がないとすぐに飽きてしまいます」

 その“思い付き”が結実した例として熱田カメラマンが紹介してくれたのが、シルバーストンを駆けるウイリアムズのナイジェル・マンセルを撮影した際の一幕だ。現在のグランプリでは使用されていないブリッジコーナーでカメラを構え『マシンから火花が上がれば、それが曇り空に散って綺麗だろう』という予測の元でシャッターを切ると、まさにその通りのことが起きたという。実際その写真には、飛び散った火花が夜空を彩る星屑のように写し出されることとなった。

 また、そういった予測や“思い付き”の力を養う方法として熱田カメラマンは『色々とトライすること』を挙げた。様々なレースを、様々なコーナーやアングルで撮影することで、“引き出し”を作ることができるからだという。

 熱田カメラマンが取材をスタートさせた1990年代前半には、日本ではいわゆる“F1ブーム”が起こっており、マクラーレン・ホンダのマシンを駆るアイルトン・セナらの活躍に人々は熱狂した。熱田カメラマン曰く、セナからはファインダー越しにも独特な雰囲気が感じられ、ネルソン・ピケやリカルド・パトレーゼからは、他のドライバーたちが自ずとついていくような求心力を感じたという。

 “今のF1はつまらない”という声がよく聞かれる昨今。しかし熱田カメラマンは、ハミルトンやマックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレールといった現代のスターたちもそれぞれにキャラクターがあり、“撮っていて面白い”と語る。

「今が面白くないなんて、全然そんなことはないです。むしろ今年(2019年シーズン)が1番面白かったと思います。セナがいた頃も含めてです」

「セナのドニントンも確かに素晴らしかったけど、あれはあくまで『セナが素晴らしかった』レースです。でも今年は、抜きつ抜かれつのバトルが展開されて見応えのあるレースがいくつもありました」

 熱田カメラマンは、今後もドライバーの“内面”が伝わるような写真を撮り続けていきたいと考えている。F1はひとつのスポーツであり、主役はやはりドライバー。そんな彼らがどういう人間であるのか、どういう魅力を持っているのか……一瞬の“表情”を切り取ることで、彼はそれを表現している。

 そんな熱田カメラマンの珠玉の作品が展示されているのが、東京・品川にて開催されている写真展『500GP フォーミュラ1の記憶』だ。その中でも特に“表情”が印象的な写真として彼が紹介してくれたのが、ルクレールが2019年のF1ベルギーGPで初優勝を果たした際の写真だ(上写真)。曰く、ルクレールの表情には惹かれるものがあり、将来のF1を引っ張っていくような存在になるのではないかと感じているという。

「F2のレースで(アントワーヌ)ユベールが亡くなって、どんよりとした空気のグランプリでした。そんな中でユベールの大親友だったルクレールが勝つ……それ自体が奇跡ですよね」

「ルクレールがバイザーを上げてチームスタッフと抱き合っている時に、どんな顔してるだろうと思って写真を撮りにいきました。右端の人が悲しげな表情をしているのが何ともね……」

 この写真展ではルクレールに限らず、様々なドライバーの表情に触れることができる。熱田カメラマン曰く、セナの写真を見て感極まるファンもいたという。

「写真展を見にきてくれた方々が『ドライバーってこんな表情するんですね』と言ってくださったりします。セナのところで泣いてくれる方もいましたし、そうやって感じてくれる人もいるんだなと思うと、やって良かったなと思います」

「普段の報道ではあまり使われないような雰囲気の写真も見てもらうことで、『F1ってこういう見え方もあるんだ』と思ってもらえればいいなと思いますし、またひとつF1を好きになって帰ってもらいたいです」

 写真展『500GP フォーミュラ1の記憶』は、2月8日(土)まで開催されている(日曜・祝日休館。2019年12月28日〜2020年1月5日は年末年始休業により休館)。ぜひ足を運んでいただき、改めてF1の魅力を感じてほしい。

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