アウディとのパートナーシップ締結で、チームの状況は大きく変わる……”将来”に期待を寄せるザウバー代表
ザウバーのフレデリック・バスール代表は、2026年からアウディと組むことは、チームの「状況を変える」ことになると考えている。
2026年からF1にパワーユニットサプライヤーとして参戦を開始するアウディ。そのパートナーがザウバーとなることが、メキシコGPの直前に発表された。このことはザウバーにとって、状況を一変させる重要な出来事になると、チーム代表のフレデリック・バスール代表は考えている。
現在アルファロメオとしてF1に参戦しているザウバーは、アルファロメオとのパートナーシップを2023年限りで解消し、その後はザウバーとして参戦することになっている。そして2026年からアウディを新たなパートナーに迎え、チームとしては新時代に突入する。
ザウバーは1993年にF1に参戦。当初はメルセデスが本格参戦するための足がかり的な形であり、車体にも「コンセプト・バイ・メルセデスベンツ」と書かれていた。1994年からメルセデスはザウバーをパートナーにF1参戦したものの、翌年からマクラーレンへと鞍替え。ザウバーは代わりに、フォードエンジンのワークス供給を受けることとなった。
その後フェラーリとの関係を強化した時期もあったが、2006年からはBMMザウバーとしてBMWのワークス体制で参戦。2008年のカナダGPでは、チームとして唯一の勝利を手にしている。
2026年はこのBMWザウバー時代以来となるワークス体制での参戦となるわけだが、バスール代表はアウディがもたらすモノが、チームの競争力を大きく前進させることに役立つと考えている。
「まず短期的な観点から言えば、次のステップに進むことができると分かっているし、雇用という面では大きなチャンスになるだろう。将来的なスポンサーにとってもより魅力的なモノになるはずだ。しかしそれ以外に大きな影響はない」
バスール代表はアウディとのパートナーシップがチームに与える影響について、そう語った。
「しかし中期的に見れば、間違いなく大きく状況が変わるだろう。我々はこのようなパートナーシップを持つことになるし、F1は年々難しくなっているからね」
「F1はこの10年で大きな進歩を遂げた。私の観点から言えば、今日、プライベーターとしてF1に留まるのはまったく不可能なことだ。おそらく、今回の契約は我々が持てる最良の選択肢だった。将来に向けてこの契約を結ぶことができたことを、非常に嬉しく思っている」
F1には2021年から年間の活動予算の上限を定めるファイナンシャル・レギュレーションが導入された。これにより、全チームが消費するコストが大幅に引き下げられた。ただバスール代表は、まだまだプライベーターが負担できるレベルを超えていると考えている。
「予算上限はまだまだ遠い」
そうバスールは語った。
「F1は予算の上限を守るために戦っている。しかしそれでも、我々にとってはまだ遥かに遠いんだ」
「この点については、今後も触れることにになるだろう。しかし、我々の予算額はその上限にははるかに満たない。そして、その結果に完全に依存している。プライベーターが3つもしくは4つしかないならば、ますます厳しい戦いになるだろう」
バスール代表は、2026年以降はドイツのアウディのファクトリーでパワーユニットが作られ、シャシーは引き続きスイスのザウバーの施設で作られることになるという。
「オペレーションを完全に分割する」
そうバスール代表は語る。
「彼ら(アウディ)はノイブルクでエンジン(パワーユニット製造)を担当し、我々のチームはヒンウィルでシャシーを作り、コースでのオペレーションを担当する。それは明らかなことだ」
「彼らは将来、ザウバーの株式を取得する予定だが、その詳細は明らかにしていない。今日、それを明らかにするつもりはない」
「ただ、チームを運営していくには、それは良い方法だと思う。我々は過去に、他のチームでどんなことが機能したのかを調べた。私にとって最も重要なのは、株式の割合や、誰がマネジメントをするかということではなく、考え方をどうするかということだと思う。そしてチーム内で争うことがなく、ひとつのチームになるための戦略を構築するということだ」
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