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バーレーンGP主催者、“ほぼオーバル”でのF1開催は可能と明言。しかし問題は山積み

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バーレーンGP主催者、“ほぼオーバル”でのF1開催は可能と明言。しかし問題は山積み
執筆:
2020/06/17 10:01

バーレーン・インターナショナル・サーキットの代表は、そのアイデアが急浮上した際には不意を突かれたものの、”ほぼオーバル”のレイアウトでレースを開催する準備ができていると主張する。

 F1の競技面のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは先週、バーレーンGPでF1を2週連続開催し、その2戦目をサーキットの外周部分のみを使った”ほぼオーバル”のレイアウトで実施する案を明らかにした。この提案については、バーレーン・インターナショナル・サーキット(BIC)にとっても不意を突かれたモノだったという。

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「ロスのコメントには驚かされた」

 BICのシェイク・サルマン・ビン・イサ・アル-ハリファCEOは、motorsport.comに対してそう語った。

「彼らは少し前に、代替案を見つける際に問題が生じた場合、複数のレースを開催できるだろうかと尋ねてきた。それは、F1側から公式にもたらされた唯一の情報だった」

「それは、彼らがヨーロッパでのレース開催スケジュールを最終決定しようとしていた、かなり早い段階でのことだった。我々は、それを調査することができると言った」

「異なるレイアウトを使うこのアイデアは新しいモノだった。特にロスが明らかにしたことについてはね。しかしそれが興味深い案であり、実現することは可能だ」

 BICにとっては新しい案だったかもしれないが、F1の組織内では、以前から分析が進められていたはずだ。

 ブラウンが率いるチームのひとりには、マシンのパフォーマンス責任者であるクレイグ・ウィルソンがいる。ウィルソンは元ウイリアムズのエンジニアであり、サーキットレイアウトを研究し、オーバーテイクの可能性が増えるための案を模索している。そしてハノイやマイアミのコースデザインにも関与してきた。

 今回提案されている”ほぼオーバル”のコースは、その走行レーンのほとんどが過去にF1が走ったことがある。セクター1と3は通常のグランプリレイアウトとほぼ同じであり、セクター2のいわゆるショートカット区間は、2010年のグランプリでいつもとは異なる長いコースレイアウトで走った際に使われた。ただ、今回のように周回距離が短くなるように組み合わされたのは初めてだ。

「レースでこのレイアウトを使ったことは一度もない」

 シェイク・サルマンCEOはそう語った。

「これは、外周部分と内側の部分を、同時に走ることができるように設計されたモノだからだ」

「ロスが”オーバル”と呼んでいるこのレイアウトは、クラブレースで使う内側のコースとは、別のコースなのだ」

「過去には、企業のイベントでそれを使ってきた。特にハードブレーキングやコーナリングを望まない、ロールスロイスのイベントなどだ」

 BICのCOOであり、バーレーンGPの最高責任者であるファイエス・ラムジは、”ほぼオーバル”レイアウトはF1で正式に使うための準備ができていると語る。

「公認と安全性という点で言えば、故チャーリー・ホワイティング(元F1レースディレクター)が過去にそのレイアウトを視察している」

 ラムジーCOOはそう語る。

「彼は当時、そのレイアウトを認めたんだ」

「FIAサーキット委員会の観点から言えば、そのレイアウトは、長いレイアウトから少し区間を間引いただけのモノだ。マーシャル、スポーティング、オペレーション、タイミンググループなど、準備は万全なのだ」

Bahrain oval track

Bahrain oval track

Photo by: Uncredited

 この超高速レイアウトをF1マシンが走れば、レースは非常に見応えのあるものとなり、ラップタイムも極めて短くなるだろう。1周の距離は3.543kmとなるが、これは通常のグランプリコースよりも1.8kmも短い。そして昨年1分3秒台という最も速いラップタイムがマークされたレッドブルリンクよりも0.7km短い。

 また、このレイアウトで予選を行なう際には、より速いラップを刻もうとするドライバーたちでコースがごった返すことになるだろう。

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 サルマンCEOはほぼオーバルのレイアウトを次のように説明した。

「低ダウンフォースのトラックだと言える」

「モンツァと比べるつもりはないが、このレイアウトでは限りなく少ないダウンフォース量でマシンを走らせることになるだろうし、スリップストリーム合戦が起きるだろう。我々はDRSゾーンを3つ設けられればと思っている」

「オーバーテイクのチャンスも十分にあると思っている。ターン1からターン4にかけてはそのままだが、通常ターン1でミスをしたドライバーはターン4の飛び込みでオーバーテイクされてしまう。パッシングポイントはいくつかあるだろう」

「ターン4〜6の間はF1マシンだと全開になるだろう。そしてハードブレーキングをして急角度のシケインを曲がる。ここはミスが起こりやすいエリアになるだろうが、パッシングは難しいかもしれない」

「そこを抜けると次は最終コーナーに向かうストレートだ。ここはGPコースと比べて200〜300m長くなっている。ピットストレートとほぼ同じ長さだ」

 ブラウンが指摘するように、2週連続で異なるレイアウトを使用してレースを開催するためには、コース周りのテレビカメラ用の配線や、マーシャル、タイミングシステムなどの再調整が必要となるが、これはそれほど難しい作業ではない。

 現時点では今シーズン後半戦のスケジュールは確定していないため、これらの議論が机上の空論となる可能性もある。非公式な情報ではあるが、アブダビでの最終戦が12月13日に行なわれ、その前の2週間(11月29日、12月6日)をバーレーンでのレースに充てるものと思われる。

「まだいくつかのことが発表されるのを待っているところだ」とサルマンCEOは言う。

「我々のレースとアブダビに関しては、まだ大まかなことしか決まっていないんだ」

「パドックが満員になるのか、それとも半分の数になるのか? それらに関しては政府にも問い合わせている。バーレーンのイベント開催における規制は今のところそれほど変わっていないので、まだ宙ぶらりんの状態だ」

「そういったことが分かれば我々としても助かるところだ。私は政府にいつそれらが変更されるのかを尋ねているが、彼らも今は答えられないようだ」

「現在は渡航制限が敷かれている。航空会社がまた活発に動き出した時、世界はどうなるのか? そういった話がたくさん出ている。国によっては14日間の検疫を課しているところもある。こういった状況はしばらく続くのか、それとも続かないのだろうか?」

「その答えを知りたいのは山々だが、今すぐに答えを出すのは愚かなことだということも分かっている」

 そう語ったサルマンCEOだが、サーキット側はF1開催の可否が決定して初めて諸々の計画を立てることができるため、実際にはあまり長く待つことはできない。彼はさらにこう続けた。

「今は夏なので、サーキットで予定されているものはあまりない。ただ9月、10月になると忙しくなってくる」

「今年はあまりレースができていないので疑問符がつくが、我々はアジアのレースシリーズに関心を持っている。さらにWECが11月21日にここでレースをすることを発表している。(F1が11月29日開催となった場合)2週連続で世界大会を開催することになるので、そこも懸念している」

 またF1側はシーズン後半には観客を入れたレースを実施したいという意向を示しているが、バーレーン側は無観客でレースを行なう方向で調整している。

「3月にはそうするつもりだった」とサルマンCEOは言う。

「その時は正しいことだったと思うし、私はその時と同じアプローチで、正しいと思うことをするつもりだ」

「しかし世界が動き出し、我々が適切な方法でできるなら、そうする(観客を入れる)だろう」

「どちらが正解ということはないだろう。私はどちらかに選択肢を限定するのが好きではないので、選択肢を常にオープンにして、一般的に正しいと思われる方法を採るようにする。ヨーロッパでのレースが今後どうなっていくかは興味深い」

 バーレーンにとって見逃せない問題のひとつは、彼は理論上、2021年の3月にもF1を開催することが予想されるため、4ヵ月の間にF1を3レースも開催する可能性があるということだ。2021年3月にレースを開催する場合、その計画とマーケティングは通常2020年の11月頃に始まるが、順当にいけばその時期はちょうどF1を開催する時期と被る。

「それらのことは念頭に入れている」とサルマンCEO。

「それはかなり大きな要求だ。どのようにパッケージングすればいいのだろうか?」

「そこに関してもF1に尋ねている。だから返事が返ってくるのに時間がかかっているのだろう。彼らは今シーズンに焦点を合わせているのだろうが、我々としても計画を立てる必要があるので、その辺りを知ることが重要なのだ」

 

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シリーズ F1
執筆者 Adam Cooper