使用禁止になった”画期的”デバイス1:各チームが追従したXウイング
F1チームは、最高のパフォーマンスを発揮するため、レギュレーションで許されたギリギリまで開発を行なう。しかし時には、あまりにもやりすぎだ……という事例も多数登場する……このシリーズでは、登場したものの使用禁止となったソリューションのいくつかを紹介していく。
ティレルは、1997年のマシン025に、Xウイングと呼ばれる特異な形状のウイングを投入した。これは追加のダウンフォースを獲得するためのデバイスであり、FIAが介入する前に、様々なチームも追従。激しい開発競争が巻き起こった。
このXウイングは、レギュレーションの”抜け穴”をチームが見つけたことに端を発する。これにより、乱れていない気流を活用すべく、車体本来の高さや幅を超えた部分にウイングレットを配置することになったのだ。
1998 chassis width changes
Photo by: Giorgio Piola
ティレルは1997年、追加のダウンフォースが必要な数レースに限ってこのXウイングを使用した。
しかし1998年には溝付きタイヤ、いわゆるグルーブドタイヤが導入されたこと、そしてマシンの最大幅が縮小されたことにより、失なわれたダウンフォースを取り戻すため、各チームがXウイングに似たソリューションを次々に登場させることになった。
Tyrrell 026 1998 X-wings
Photo by: Giorgio Piola
ティレルの1998年マシンである026は、必要に応じてXウイングを取り付けるのではなく、そもそもそれが存在することを念頭に設計されたマシンである。実際、Xウイングによって生み出されるダウンフォースは、マシン全体が発生するダウンフォースのうち5%を占めていたとも言われる。
この効果により、フェラーリやプロスト、ジョーダン、ザウバーなどが同様のウイングを搭載することになった。
FIAはこの段階で、例えばXウイングが破損した際などにマシンがコントロール不能になるリスクがあると判断。そのため、すぐさま非合法化されることになった。
■各チームが導入したXウイング
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