コロナ感染に相次ぐアクシデント……不運に祟られるストロールに必要なのは“ハグ”?
レーシングポイントのテクニカルディレクターであるアンドリュー・グリーンは、ここ数戦苦しんでいるランス・ストロールが自信を取り戻すためには“ハグ”が必要だと語った。
Lance Stroll, Racing Point, in his cockpit
Glenn Dunbar / Motorsport Images
セルジオ・ペレスとランス・ストロールを擁するレーシングポイントF1チームは今季、コンストラクターズランキング3番手の座をマクラーレン、ルノーと激しく争っている。しかしそんな中、ストロールがシーズン後半に入って調子を落としている。
ストロールは波乱のレースとなった第8戦イタリアGPで3位表彰台を獲得。この時点で7戦連続入賞となっていた。しかし続くトスカーナGP、ロシアGPはアクシデントによりリタイアに終わると、アイフェルGPは体調不良で欠場。後に新型コロナウイルス陽性であったことが判明した。
復帰後も悪い流れは続き、ポルトガルGPではフリー走行でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と、決勝ではランド・ノリス(マクラーレン)と接触し、リタイアした。エミリア・ロマーニャGPでも1周目にまたしても接触をしてしまい、フロントウイング修復のために緊急ピットイン。その後のピットストップでは冷えたブレーキが災いして止まりきれず、フロントジャッキマンを跳ね飛ばしてしまうハプニングも発生するなど踏んだり蹴ったりのレースで13位に終わった。
レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンは、ストロールが新型コロナウイルス感染の影響を想像以上に受けており、トスカーナGPでの大クラッシュもまた影響しているだろうと語った。
「明らかに彼は以前の状態ではない。それは間違いない」とグリーンは言う。
「モンツァにいた時と比べると、今は間違いなく自信を失っているように見えるので、我々は来週彼を復活させるためになんとかしないといけない」
「あの体調不良が彼をダメにしてしまったんだろう。それは全く予想していなかったことだ」
「ただ体調不良からの回復には時間がかかることは聞いていたし、実際時間がかかっていると思う」
「彼は再び自信を取り戻す必要がある。そうすれば、前半戦のランスに戻ることができるだろう」
グリーンはさらにこう続けた。
「彼は肉体的にも精神的にも打撃を受けている。ムジェロではかなり大きな事故をした。だからそのせいで自信を失ってしまったのではないだろうか」
「肉体的には、前回のレース(ポルトガルGP)は復帰戦だったから難しいだろうと思っていたし、実際にその通りだった。精神的にも数戦前のような状態ではないだろう。彼は軌道に乗る必要があって、今はそうしている最中だ」
「本当に些細なことだと思う。仮にマシンを全く乗りこなせないというのであれば、馬鹿にされてもおかしくないがね」
「我々は彼を復活させる必要があるし、それは可能なことだ。そのために必要な道具、人員は揃っている」
「おそらく重要なのは、腕を回して彼を抱きしめるようにして『さあ、気を引き締めて頑張ろう。最後の数レースをやり切って、(コンストラクターズ)選手権3位になれるように頑張ろう』と言うことだ」
「彼には十分な力があると思う。今のところ、少し厳しい状況になっているがね」
グリーン曰く、イモラで行なわれたエミリア・ロマーニャGPでストロールはセットアップの変更を要求し、その結果チームはアップデートを施していたサスペンションを以前のバージョンに戻したようだが、グリーンはそこも苦戦の原因になったと考えている。
「彼は今回のレースに向けてサスペンションの一部を交換したが、彼は今思えばそれが間違っていたと思っているだろう」とグリーンは言う。
「ターンインでナーバスだったのもそれによるものだと思う。それは彼が今自信を失っているからこそ起きたことだと思うし、今後調整していくことになるだろう」
「彼は前のバージョン(のサスペンション)だと反応速度が少し遅すぎると感じていた。だからもっと反応が良いものを望んでいたので、我々は反応が良いものに交換した。しかしそうしたら逆に反応が良すぎたんだ。だから元に戻さないといけない。これで彼は教訓を得ただろう」
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